第3話 ジューンブライドの軌跡と悲劇 前編

「さぁーて、今日も暇・・・」

「すみません!助けてください」

 この作品に暇はない。

「さてどこから質問しようか」

「まずは服装の話からじゃないですか?」

 それはお前もされるだろと心の中で突っ込む、口には出さない。

しかし確かに今回の依頼者の服装は少し変だとバカも思っていた。

「なーんであなた花嫁姿なの」

「結婚式の途中で銃を持った人達が乗り込んできて逃げてきたんです」

 どうやら謎は増えていくスタイルらしい。

「きっとそいつは”8月の花嫁”だな」

「なにそれ!!!」

 するとナナシが無言でテレビのリモコンを持ち、テレビをつける。

「今現在なぜか結婚式場を襲っている武装集団「8月の花嫁」は

 全15もの式場を襲い現在も逃走中で・・・」

「わーお、なんてすてきなタイミング」

 話は戻る。

「それで彼が”たーなさん”が連れ去られてしまったの」

「”たーな”ね、そういえばあんたの名前は?」

「まみむめよーこです。”まみむめ”が苗字で、”よーこ”が名前です」

「個性的なお名前で」 

「名前がバカのお前がよく言うよ」

「で、依頼受けてもらえますか?」

「OKだ」

 即答だった。

「あらめずらしい!いつもことの始まりに金金鐘言うのに」

 するとチュウは二人は端に呼び小声で話す。

(ばかやろう、結婚式にはご祝儀ってのがあるだろ、なら金もあるはずだ。こりゃ大儲けのチャンスよ)

(やっぱり金ですか・・・はぁ)

「ありがとうございます!!では早速…」

「ちょいまちな」

 チュウが引き止める、なにか話があるらしい。

「やつらのアジトもしくは移動先を特定するのが先だ。おそらくツイッターかフェイスブックに・・・」

「載ってんのかよ」

「あった、次の襲う場所は・・・」

「あるみたいですね」

「もうなんでもいいよ、めんどくせぇ!!」

「よし向かうぞ!!」

 こうして男2人にくのいち1人、花嫁1人の不条理オールスターは出撃するのであった。

                           中編につづく 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る