第5話 グーグルは教えてくれない

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 ダメだ。こんなので作れるわけがない。もっとちゃんと書き方を教えてくれないと。

 しかたなく俺は宮沢賢治のWikipediaを読むことにした。何かヒントがあるかもしれない。が、文字が多い。こんなものいちいち読んでいられない。←で検索結果のページに戻る。

 だったら実際の詩とやらを見てやろう。続きを書く参考になるはずだ。

 表示された作品一覧の多さに若干の気後れを感じたが、タイトルが短いので拒否感までは感じない。ぱっと見て目についた「春と修羅」をクリックしてみる。何か英語もくっついていてかっこいい。


   心象のはいいろはがねから

   あけびのつるはくもにからまり

   のばらのやぶや腐植の湿地

   いちめんのいちめんの諂曲てんごく模様


 一瞬でわかってしまった。あの原稿用紙の作者は宮沢賢治ではない。うまく説明できないが、言葉から受ける印象がまったく違う。


   おれはひとりの修羅なのだ

おれはひとりの修羅なのだ

   おれはひとりの修羅なのだ

     おれはひとりの修羅なのだ

おれはひとりの修羅なのだ おれはひとりの修羅なのだ おれはひとりの修羅なのだ


 言葉が頭にこびりついてくる。

 しばらく俺は、疑問を抱えることになった。「おれはひとりの修羅なのだろうか」と。

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