レジにいたのは20才くらいの女の子。
かとも
レジにいたのは20才くらいの女の子
ポストに投函して荷物を送るため切手が必要になったので、普段よく行くコンビニのFへ立ち寄ると、なんと、そこでは切手は売っていないという返事でした。
仕方ないので、もう少し足を延ばして、あまり入ったことのない別のコンビニSへ。
その荷物を送るには、360円分必要だったので、レジの二十歳位の女の子に
「切手を360円分ください」と。
「どういうふうに?」
と聞かれて、
「合計で360円になるように」
と頼みました。
彼女は、暫く悩んでレジのタッチパネルを操作すると、
レジに『¥368』が表示され
「92円切手4枚で、360円と少しだけ・・多くなりますけど…」
ダメですか?というような顔をしている。
「丁度にしてほしいんですけど…」
と私。
また、暫く悩んで、タッチパネルを操作、
今度はレジには、『¥358』が表示され
「92円切手3枚と82円切手1枚で、ちょっと足りないんですけど…」
またまた、ダメですか?というような顔をしている。
「えーっ!」
と困った顔で答えると、彼女はタッチパネルを見ながら泣きそうな顔になってきました…
別に、彼女をいじめに来たわけではないので、
「2円切手というのはないですか?」と助け舟。
彼女は、タッチパネルの中から切手の「2円」を探し当てたらしく
「あったー!」
と叫びながら、ひょいとタッチパネルを押して、レジ表示は『¥360』に。
叫んだ後、くるっと振り向いて何も言わずに、レジ後ろのドアを開けて出て行ってしまいました。
私は彼女が切手を取りに行ったのだとすぐ察しましたが、やり取りを知らずに私の次にレジへ来た女性客は、突然「あったー!」と叫んで店の奥に引っ込んでしまった彼女の、その消えたドアの方を、ポカンと口を開けて眺めていました。
レジにいたのは20才くらいの女の子。 かとも @katomomomo
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