二章

幕間・壱

主要人物は出た。

彼ら以外に物語るべき者は、いない。


過ぎ去りし過去。


幻想ともとれる出来事。


私もその中に入り込めたら……と思う一方で、もう入っているようだ。


彼女が後に辿り着く言葉をこの幕間で記しておく。


万象ばんしょう一切いっさい、流れる景色の只中ただなかに。るべき者を無き者とする、哀れさよ。我が前に御座おすわり、聞きたもう。悲しき劇の静かさを。喜び劇の賑やかさを。その耳で聞き、眼で観るのは、流れる景色の一欠片』

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