◆ チャイルド・グループ ◆
WD-16(女)は、子どもたちだけの“ 群れ ”チャイルド・グループの管理スタッフをしている。
彼女は子どもが大好きで職業適性検査でチャイルド・グループ管理スタッフに任命された。
ここでは6歳~12歳までの子どもたちが共同生活している。
“ 群れ ”では必要な知識や教育はチャイルド・グループですべて完了させる。
13歳からは一人前と認められて、大人たちに混じって仕事をこなすのである。
しかし、特に成績優秀な者はアカデミーで専門的な教育を受けることが出来るが、ごく限られた優秀な人材のみである。
WD-16(女)は、ここで小さな子どもたちの世話をみるのが好きだった。
一緒に遊んだり、勉強したり、食事をしたりと、子どもたちと触れ合いながら親と暮らしていない、子どもたちの精神面でのサポートをするのがチャイルド・スタッフの重要な仕事のひとつである。
しかし、まだ17歳のWD-16(女)はスタッフと言っても見習いみたいなもので、いずれ資格試験を受けて、正保育士になるために勉強を続けていた。
チャイルド・グループのスタッフは子どもの世話ということもあり、ほとんど女性スタッフが多い。
だが女性ばかりでは、特に男の子の精神発育上、
週に何度か、男の“ 群れ ”から男性の保育士がやってくる。
10人ばかりの大人の男たちが、スポーツをしたり、ハイキングをしたりして、スキンシップで子どもたちと触れ合っていくのである。
“ 群れ ”社会では男女、子どもは別々の“ 群れ ”で暮らしているので、通常は顔を合わせないのだが……チャイルド・グループの管理スタッフだけである。
男女混合で働く職場なのは――。
それだけに、“ 群れ ”にとって一番危険な職場でもあった。
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