第5話

ゲートのようなものを超えると、タコから解放され建物に入る。ここは、空気も環境も地上と変わらんようだ。

妙ちきりんなオリエントだか、なんだかの一室に通されると。

カメが

「しばしお待ちください。お上がお会いになりますまで。」

まず、太郎の性癖として脱出口を探した。入り口の引き戸も天井も、妙な板床も、全てガードされている。

カメがやって来た。

「Dr.チェックをお願いしても良いでしょうか?」

太郎が答える、

「どうせ断れないんだろ。」

イカが入っていた。前のタコよりはイカらしいが、変といえば垂直で動いている。

「太郎さんでしたっけ。私はスイ、というスタッフです。あなたの健康と。もちろん、何か悪い病理など持ち込まれてはならず。失礼をいたします。」

イカが普通は甘かった。

太郎の穴が空いてる部分に全て触手は入り込んで来た。不思議と太郎にはイヤな感じはなかった。

「終わりました。ただ、私もいるアカデミーはあなたを疑っています。それは、あなたがはじめていらっしゃれた方でしたから。失礼しました。お気をつけください。」

嫌な予感は増幅する。ただ、余人として生きるよりマシなだけだ。

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