36話

「決まりましたね、蓬莱さん。」

御石を腕で小突く。苗字で呼ぶなんて珍しい事をする。集まった票を整理する公平な仕事、それだけが私達の仕事。

「ありがとう御石。あなたが選挙管理委員次期委員長よ。」

「蓬莱さー、しゃべっ?」

ポカンとした御石の頬にキスをする。素敵な私のナイト様、卒業まではあと少し。私もこの声見た目に合わない低い声を愛して行かなきゃね。

ゆっくりと歩き、壇上にあがる。


「皆様、壇上より失礼致します。票数の集計が完了しましたのでお知らせします。

得票数156票、次期生徒会長は安倍真理さんに決定しました。」

私のアナウンスと共に動揺と拍手が広がる。安倍真理、あなたはどんな生徒会を作るのかしらね。

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