幕間 マリオネットは涙を流すか


人形は役を渇望した。

演じれば人間になれると思った。

与えられた役を演じてきた。

時には姉に、時には友人に、時には劇作家に。

間違いだった。

人形としてココロが消えていった。

ある日まわりの人形が人間になるのを見て思った。

"ワタシは一生人間にはなれない"

人間になった人形は言った。

「私と一緒に綺麗な世界を見ませんか」

私はその言葉に惹かれた。

人形のままでも一緒にいてくれる人がいる。

なくしたはずのココロがあったかくなった。

そうして人形は立ち上がる。

消えそうなココロを繋ぎとめながらーー。

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