18話 会長の重み


「晴香、次どうするの」

喜多が不安そうに私の方を向いた。書類整理をしている書記の美東に、会計の二年、西家にしやや庶務の一年、南部なんぶも同じく私をチラリと見ている。

次、というのは選挙の話で私達が解散しない為には次も私が会長になる必要がある。しかし、私は。

「次は立候補しない。」

生徒会執行室に重い空気が流れる。選挙にすら立候補しない会長など、前代未聞かもしれない。しかし、渡利前会長が帰ってきたのなら私は会長職にこだわることはないのだ。元々、私は渡利前会長の代理だったのだから。

「納得出来ないよ!なんで晴香は立候補しないの!」

喜多が声を荒らげた。喜多は私に求めすぎている節がある。

「私は渡利千春前会長を応援する。会長になったのも、渡利千春前会長の影響だからだ。みんなが誰を支持し選ぼうが何も言わない。自由にしてくれ」

ふう、とため息をつき書類整理に入る。私に会長職の座は重かった。


「晴香は俺を救ってくれたのに」

と呟く喜多の声が悲しそうに聞こえたのはなんでだろう

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