11話 さよなら(下)
久しぶりの空気に気持ちが晴れ晴れしそうだ。ゲームセンターのプリ機にUFOキャッチャー、ウインドウショッピングをして、カフェでお茶をしてー。
まるで普通の友人みたいで、とても楽しかった。まるで私が……。
「楽しかった!」なんて笑う委員長があまりにも明るくわらうものだから悲しくて仕方がない。
「委員長、満足した?」
ついに言ってしまった。あまりにもあなたは眩しすぎて、わたしは溶けて砕けてしまいそうで。ただ、委員長は純粋な瞳で心配そうに私を見つめてきた。
「委員長、美東さんとデートくらいしてあげるからもう私に関わらないで」
人形は人間にはなれない。
あなたのような人間にはなれない。
「ごめんなさい」
ぽつり、と呟かれた声が頭に反響し足音が遠くなる。
流れたこの雫はきっと錯覚だ。
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