7話 混乱


この学園は腐っている。

1組には金の力か裏の力を持っていないと入れず、実力は評価されない。

一方で3組は落ちこぼれだと言われるのだ。

現会長職・安倍あべ晴香はるかは天才だの奇跡だのと言われているが、この学園の裏を仕切る取締に1年からついている。そしてその裏の顔を知る者は少なく、公言する者は消された。

今回の生徒会選挙でもまた安倍晴香が勝つのだろうか。それを阻止しようと吹坂双子はがんばっているが、難しいだろう。また裏の力が関与するのだから。


七節ななふしがガッコーにくるなんて珍しいネ、今度またの仕入れといてヨ」

「君の基準で全てを図らないでくれないか、辰巳たつみ。例のは仕入れたよ。取りに来い。今日私が学校来たのは呼ばれたからだよ、本当はた迷惑だよね。」

指定された時刻は4限の最中。場所はー。

「ありがとう、先輩。早く入って」

中学からの後輩、美東みとう愛美あみの部屋だ。


七節ななふし先輩、そちらは?友人という解釈でよろしいのかしら?」

「私も君に友人がいた事に驚いているよ、しかも生徒会長の妹さんじゃないか」

友達いないのか、美東愛美。と哀れんだ視線を送ると脇腹を的確になぐられた。

「違うわ。お互いの利益の為に付き合っているだけよ。」

「はいはい。で、今日はなんなの?」

七節ななふし先輩と呼ばれたぼさぼさ髪の人に美東は告げた。

「コイツ、裏の話が聞きたいんだって」

「ふーん。辰巳たつみを連れてきてよかったね。じゃあ私の部屋の方がいいや。来てもらえるかな」

七節先輩について歩く。美東愛美は自室で寝るらしくついてこない。


私達の西寮とは違う、東寮の最上階、8階。

そこは未知の空間だった。


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