6話 取引
押し倒される強い力に姉に征服される恐怖を感じる。″愛″という言葉を盾に姉は私の口をキスで封じた。
私は床に押し倒されたまま固まり動けない。胸を這う手が気持ち悪くて、助けを求める声もなにもでない。やめて。お姉ちゃんはこんなことしないでしょ。
チャイムの音と共にふと、視線をあげるとそこには生徒会副会長職、
「やあ
「妹ちゃんの表情を見るに同意じゃないよねえ。愛美、妹ちゃんを頼んだよ」
「ええ副会長。」
美東愛美が私に近づいてくる。しまったー、笑顔が邪悪そのものに見える。仕切りで区切られた自室区域につくなり、彼女は矢継ぎ早に言い放った。
「会長の妹、なんてことを隠していたのね。貴女。勿論前回のこと会長に内緒にしていなかったのよね。だから私はー。あ、」だから私は?姉は一体なにをしているのだろうか。
「まあいいわ、今回は借りね。
「借り、もう一つ作る。わたしの姉は、
「冗談じゃないわよ!教える義理なんてー」
「渡利千冬と連絡を取れるようにして、さらにデートさせればいいんでしょう?」
目を丸くした美東愛美は首を激しく振った。そうして、「不便でしょ」と告げ私の携帯に連絡先を入れて姉の部屋に戻っていった。
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