5話 姉妹
「真理。私のかわいいかわいい、
真理は私とは違い大人びた妹だった。
真理と離そうとする大人達に隠れて着せ替えをして、私好みにしてよく遊んだものだ。
真理と過ごすのは楽しい。私の愛する妹、災難からすべて守ってあげる。それが私が真理の姉として生まれた運命だから。
「生徒会長さんとあろう
「真理、怪我はなかった?お部屋に帰りましょ。はやく」
「お、お姉ちゃん。私、遊びに来てただけだから、もうすぐ帰るところだったのよ」
「真理、」
吹坂双子に何を吹き込まれたのだろう。
私のマリーはそんなことは言わない。
「そんなこという口じゃなかったでしょ」
「……ごめんなさい」
ああ、また正気を無くしていたようだ。
真理が関わるとこうなのだから、仕方ない
「ごめんなさいね、吹坂さん。お詫びと言ってはなんだけれど今度なんでも聞いてあげるわ」
「なんでも?」
「実現可能ならね、ではごきげんよう。」
ずる賢い吹坂姉は油断ならない。そして武闘派の吹坂妹も意外と油断ならない。さらに双子が支援している渡利千冬も……
すべてから私は真理を守らなければならない。
「お姉ちゃん」
真理、私のかわいい真理。
「お姉ちゃん、頼むから話を聞いて。あの人達は悪くないの」
真理、何を吹き込まれたの?あなたは純粋なまま生きて欲しいのに。ぎゅっと強く真理を抱きしめる。トクトクと音を立てる心臓音が心地よい。元は同じ精子と卵子から出来たのだから真理と私は同じ生き物と言っても過言ではない
「香水、また違う。お姉ちゃんもう私の為になにもしなくていいんだよ」
真理の言葉にハッとする。この学校の裏を真理には見て欲しくない。なのに……
「いい子だから私の言う通り今まで通りに生きてくれればいいのよ。あの人達に近づいちゃダメ」と、目を合わせて話す
「ねえ、わたしはお姉ちゃんのお人形じゃないよ」
「いい加減にして!!!!」
「いい加減にするのはお姉ちゃんだよ。わたし、部屋替え希望を出しておくからいい加減妹離れくらいしてーー」
激しい激しい気持ち。これが情動。でも持続するこの気持ちはー
「愛、してるんだ。だから」
一生私だけの
強く強く妹を抱きしめた。
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