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そのあとのわたしは、どこか上の空だった。








「あれ、菜々さん‥!コーヒー‥」








多田くんに空のマグカップを渡したり、言われていれたコーヒーにレモンを入れたり、どこかおかしかった。








もしかしたら泉さんのことが好きなのかもしれない。







そう思ったらどうしてか、異様に焦ってしまって、戸惑いを隠せなかった。









たまらず休憩の合間に亜梨沙メールを送る。








泉さんのことを好きなのかも、という趣旨のメールを送ると、少し経って返信が返ってきた。









''悪いことじゃないと思う''






何か企んでるみたいにニヤニヤした顔の絵文字付きで返ってきたのは、肯定する内容だった。










''だって、結婚してるんだよ?''









そそくさと返信すると、今度はすぐに返信を知らせるように携帯が震えた。









''覚悟は必要だと思う。友達としては止めなって言いたいけど、応援するよ''









少し長い改行の下に''がんばれ''と書いてあって、優しさに思わず安堵した。










亜梨沙のおかげで少し気持ちが軽くなった気がする。








まだ、好きだと自覚したわけではない。








直感的に、突発的に、そう思っただけ。








そう自分に言い聞かせて、再度パソコンに向かった。



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