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「すいません‥あの、聞こうと思ったわけじゃないんですけど‥」
「いや、いいんだ。長谷川さんはなにも悪くない。
‥嫁さんがな、仕事に理解がなくてな」
全くこんな時に電話してくるなんてな、笑ってごまかした泉さんの顔は心底疲れてるように見えた。
「そうなんですね‥」
「こんな話されても困るよな、ごめんな」
この場に限って気の利く一言が見つからない。
泉さんを元気付けられる一言が見つかれば、どんなにいいだろう。
「あの、わたしでよければ聞きます‥聞かせてください‥!」
そんな言葉見つかるはずもなく、歩き出した泉さんの背中に突拍子もない言葉を投げかけた。
「長谷川さんて‥」
泉さんは瞬きしながらわたしを見ると、瞬間いつもの笑顔に戻って。
「優しいんだな」
柔らかな声音でそういった。
「わたし‥あの、」
不謹慎だけど、
「夜は、うまいもん食おうな」
思ってしまった。
「はいっ‥!」
わたしは、泉さんのこと''好き''なのかもしれない。
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