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さらに近づいたそいつの喉元に、フレイルを突き立てた。
「ギャン」
子犬のような声を発して、そいつは倒れた。
が、頭を殴られてうずくまっていた奴が再び襲ってきた。
円羅はそいつもフレイルで突いた。
そいつが倒れると、もう一方が再度攻撃を仕掛けてきた。
そいつが倒れると、もう一方が。
狙ったわけではないが、円羅は二匹を交互に攻撃できるという幸運に恵まれた。
――よし。
何度か攻撃を仕掛けると、やがて一方が、続いてもう一方が倒れて起き上がってこなくなった。
双方とも嫌な気が消えうせた。
共に死んだのだ。
――あっちはどうなっているのだろう?
闇の中、何かが動き回る音がいくつも聞こえる。
時折、おそらく悪魔のものだろう、甲高く短い叫び声のようなものが聞こえてきた。
円羅がそのまま聞いていると、いきなり悪魔が目の前に降って来た。
何処から来たのかはわからなかったが、印象としては上から落ちてきたように感じた。
が、向かってきたのは一匹である。
円羅がてこずったのは最初の数秒だけで、後は圧倒し、倒した。
そうこうしているうちに、あたりが朝焼けに包まれた。
日が昇って来たのだ。
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