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――悪魔?


そう、そいつは映画や本などで見る悪魔そのものだった。


灰色の身体で背中に黒い蝙蝠の羽。


耳はナイフのように尖り、大きな牙と手には長い爪。


そしてロープのような尻尾があった。


「むん!」


向かってくるそいつにフレイルを振りまわすと、ちょうどそいつの脳天に当たった。


「ギャッ」


効いたのだろう。


そいつは頭を抑えてうずくまった。


そこへ円羅は追い討ちを掛けた。


最初に当たったところを狙ってフレイルを振り下ろした。


そして動きの止まった悪魔に再度フレイルを叩きつけると、そいつは地に伏して動かなくなった。


最初に感じていた禍々しい気は一気に消えうせた。


死んだのだ。


「ふう」


一息ついている暇はなかった。


同じ奴が現れたのだ。


それも二匹。


円羅はフレイルを振り回した。


それは先に来た奴の頭に当たったが、もう一匹には当たらなかった。


まだ距離があったのだ。


「とう!」

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