18

「どこ行くの」


「晩飯食べてくる」


「そう、行ってらっしゃい」


「君は食べないのか」


「食べないことは無いわ。味を楽しむためにね。でも食べなくても平気なの。食事なんて百年くらいしていないわ」


「そう」


「それじゃあ、おやすみなさい」


言い終わるやいなや、神楽は寝息をたてはじめた。寝顔は起きているときにも増して美しかった。


――これからどうなることやら。


円羅はさすがに不安を覚えた。当然のことだ。



「おはよう」


いきなり起こされた。


目を開けると神楽が正座をして円羅を覗き込んでいた。


もう少しでキスが出来そうなほどに、顔が近かった。


思わず顔をそむけると、そこには肉欲をそそるふとももがあった。


「どうした。まだ早いじゃないか」

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