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円羅は母国語の他に、英語と中国語が話せた。


そのまま聞いていたが、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語でないことはわかった。


円羅はそれらの国の言葉はしゃべれないが、聞けばフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語であることぐらいはわかる。


――どこの国の言葉だろうか?


その哀愁を帯びた旋律。


透明感のある伸びやかな声。


聞いているとなんだか胸が締め付けられるようである。


円羅はいつまでも聞いていたいと思った。


が、不意に歌声が止んだ。


円羅が風呂場の方向に目をやると、すでに神楽がそこに立っていた。


しかも全裸で。


円羅は慌てて目をそらせた。


「もういいわよ」


円羅が思わず見ると、神楽はすでに服を着ていた。


兜は被っておらず、足具も履いていなかったが。


それにしても全裸を見て再び神楽を見るまで三秒もなかっただろう。


その間に兜と足具以外全て身につけたのだ。


「いい湯だったわ」


「そりゃどうも」


「ところであなた、大事な話があるの」


「なんだ」

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