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トカゲの化け物は少しぐらついたが、倒れることは無かった。
「とう!」
円羅は、今度はフレイルの長いほうでそいつを突いた。
フレイルの先が眉間に当たり、化け物は後方に倒れて尻餅をついた。
少しはダメージがあるように見えたが、ゆっくりと立ち上がってきた。
――この攻撃は、人間なら即死の筈だぞ。ちょっとは効いているようだが、死ぬにはまだまだと言ったところか。やはり人間では無いようだ。
円羅はもう一度フレイルを振り回そうとした。
すると何かが一瞬で円羅の横を駆け抜けた。
見れば先ほどの女がトカゲの化け物の横に立っていた。
――いつの間に?
女も化け物も動かなかったが、やがてトカゲ男の上半身がぼとりと下に落ち、下半身も後を追うように地に伏した。
円羅が振り返って見ると、でかい化け物は長い首を切られて絶命していた。
女に視線を戻すと、女もこちらを見ていた。
「久しぶりね。ジャキマとある程度やりあえる人間を見るのは。五百年ぶりくらいかしらね。前回はユダヤ教徒の神父だったけど、あなたは仏教徒の僧侶ね。あなた、まだ若いのにたいしたものだわ」
「ジャキマ?」
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