一人は背を向けているが、若い女性と思われるもの。


ただその出で立ちは奇抜だった。


紫が基調の着物姿なのだが、その着物は下袖がなく身丈が短くて、ふとももがほぼ全て露になっていた。


頭には昔の西洋で使われていたような兜を被り、肘から先と膝から下が同様のもので覆われている。


右手には刃渡りの長い日本刀を持っていた。


そしてもう一体。


こちらの方がはるかに問題であった。


蟷螂のような身体からろくろ首かキリンのように長い首が伸びていた。


そしてその首の先には黒髪の女の顔がついていた。


蟷螂の身体からはムカデの足のようなものが何本も生えている。


おまけにその身体が象よりもでかい。


一目でわかる。


人間でも動物でもない。


化け物だ。


こういうものがこの世に存在することは何度か聞いたことがあったが、実際に目にするのは円羅にして初めてだった。


――こいつは……いったい。


その時円羅は、背後に気配を感じた。


振り返るとそこにいた。


全体的に人型だが、その頭部はトカゲとも亀とも言い難いもの。


そして全身が鱗に覆われていた。


円羅がフレイルを構えると、そいつが襲ってきた。


「てやっ!」


円羅が振り回したフレイルが、そいつの頭部に当たった。

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