6
朝、昼と何事も無く過ごしたが、夜になると円羅は急に胸騒ぎを覚えた。
それも今までに何回かあった程度のものではなく、とてつもなく強烈なものだった。
――しかたがない。
どうやら厄介ごとが自分を呼んでいるようだ。
そこに自ら入っていくことが円羅の勤めである。
円羅は大型のヨーロピアンバイクにまたがると発進させた。
――ここか。
意識が引かれるままにバイクを走らせると、人里はなれた郊外に着いた。
その先に廃墟がある。
そこが彼を呼んでいるのだ。
――鬼が出るか蛇が出るか。
円羅はバイクに取り付けてあったフレイルを取り出した。
フレイルは長い棒と短い棒を鎖で繋いだ物で、もともと農耕器具から武器へと発展したものである。
類似の武器にはヌンチャクがある。
円羅が中に入ると、仄かな灯りがあった。
光源はどこだかわからない。
薄暗いことには変わりが無いが、見えないこともない。
――何かいる。
奥に何かがいた。二体。
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