第13話 俺達は学院に向かった。

俺は矢の飛んできた方向を見ていた。

「もしかして、走ってたのはこれか?」

「はい」

「どうすんだ?俺達は武器をほとんど持っていないぞ!」

俺は倉庫ポケットから予め用意していた剣を渡した。

「取り敢えずこれを使っておけ。あ、それあげた訳じゃないから。取り敢えずだから。それと俺の後ろを守れ。前からは俺が守るから」

「わ、分かりました!」

「じゃ、行くぞ!!」

俺は前に走って行った。そして俺はどんどん敵を薙ぎ倒して行った。

「す、すごい」

「感心してないでお前も手伝えよ!」

「ご、ごめん!!」


「……ふぅ。疲れた。お前ら、生きてるか?」

「はい。何とか」

「つーか、俺達ほとんど役に立ってないしな」

そう言っちゃ悪いがこいつら全然役に立たない。現に俺は何度も後ろから攻撃されたのだ。

「お前ら、チームワークからやり直した方がいいぞ」

「ごめんなさい。……そういえばお名前って?僕はオルフィー・ファルトラです。よろしくお願いします」

「俺はカストル・オルディナンだ。よろしくな」

「俺は黒鉄愁斬だ。ま、ランクSだ。気軽に話しかけてくれ」

俺が自己紹介を終えると、2人は驚いていた。ファルトラなんて口をパクパクしているのだ。

「お前が……」

「あなたが……」

「俺が賢者級の冒険者だ」

そう言うと、2人は気絶してしまった。

「最後まで厄介ない奴らだな。アイズ、小屋を作ってくれるか?」

「了解!」

アイズに頼むとすぐに木の家が完成した。元々、アイズは地の精霊王の眷属なため盛で物を作ることなど雑作もないのだ。

「今日はこいつらが起きないと次に行けないからな」

「随分とお節介になった物だな。主よ」

「まあな。こんなよわっちいのはどうでもいいんだが、寝覚め悪いし」

俺は座って寝る事にした。


朝俺が目を覚ますと2人はまだ寝ていた。

いい加減にしてくれ。いつまで寝ているんだ!

俺は2人に向かって水を投げた。

「!?」

「やっと起きたか。まったく、世話の焼ける奴らだな」

「ここは?」

「ここはツリーハウスだ。木の上に出来る家の事。で、お前らは何であんな奴らに追われてたんだ?」

そう聞くと2人は顔を俯かせた。

「さっきの奴らは黒教会の奴らだ」

「黒教会?」

「黒教会とは、悪の存在です。人を殺める事も厭わない。神のご意思だと、人間を虐殺していく極悪人です」

これは。天使達が言っていた侵略者か。

「俺達はあいつらが取引をしている所を見ちゃって」

「それで追われてると?」

そう言うと2人は頷いた。

どこまでドジなんだよ。つーか、あんな夜更けに何やっていたんだか。

「主、話はいいがそろそろ行かないと聖地には到着せんぞ」

「分かってる。で、お前を見て固まっている奴らをどうするかだが。お前ら、聖地に行くのか?」

「は、はい。学院に行かないといけませんので」

「お前ら学院生だったのか。頭悪そうなのに」

「んだと!?」

「まあまあ」

「じゃ、赤竜帝。俺達を乗せて飛んでくれないか?」

「主の頼みならしょうがないが……」

赤竜帝は顔を顰めた。こいつらが乗るのはちょっと嫌らしい。でも、置いて行くのも可哀想だ。

「頼む」

「……はぁ。承知した。そこの人間、我の背中に乗るのは本来主だけだ。もし、口外でもしたら噛み殺すからな」

そう言うと2人は顔を真っ青にして頷いていた。


「うわー!すげぇ!!」

「綺麗です!!」

2人はずっと下を見ている。

「気をつけないと落ちるぞ。落ちても俺は助けないから」

「はーい」

俺はずっと十六夜の手入れをしていた。

「なぁ、ずっと思ってたんだけどその剣ってどこで手に入れたんだ?」

「遠い国だ。ま、他にもあるんだけどな」

俺はこっそり日本刀を作っていた。桜花、青葉、伊勢、飛鳥、出雲、伊吹の6本を所持している。だが、やっぱり十六夜の方が使いやすい。

「まじで!?俺に売ってくれないか?」

「馬鹿かお前は!俺が剣を容易く売る訳ないだろ!?つーか、お前ろくに鐘持ってねぇだろ」

「そ、そんなことねぇし!!」

図星か。まったく、こいつは嘘が下手糞だな。

「はいはい。そう言う事にしておいてやるよ」

俺はしっしと手でやった。

「主、着いたぞ」

「分かった。お前ら、魔術は使えるか?」

「いいや。からっきしだ」

俺は2人の手をつないで”飛翔フライ”を使った。

「うわっ!体が浮いてる!!」

「す、凄い」

「飛ばすぞ!」

俺は出力最大で飛ばして行った。


門の前で降りると、セリスティアが仁王立ちをして俺を待っていた。

「久しぶりだな、愁斬」

「ああ。何でお前門の前で待ってるんだ?」

「この前みたいに門番に何か言われるのは面倒だろ?」

「まあな」

俺は後ろを向いたすると、2人は我に返ったようでお辞儀をしていた。

「こ、こんにちわ!セリスティア様!!」

「ああ。お前達、学院に早く行かなければならないのではないか?」

そう言うと走って学院に行った。

「さてと、行くか」

俺達は学院に向かった。

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