第2話 まじかよ……

扉を諦め、俺は日本刀を探していた。

「あった!」

日本刀を見付けた俺は鞘から出した。すると、日本刀は本物の様な重さでまさかと思い、俺は伸びきっていた草を切った。すっぱりと草が切れた。

「これはもしかして本物!?」

俺は驚きすぎて固まってしまった。すると後ろから声をかけられた。

「お前。そこで何をしている!?」

「はい!」

思いっきり怪しいよな俺。刀構えてずっと突っ立っているんだから。声をかけて来た女性は剣を構えていた。白銀の髪に赤色の瞳をした女性。

「何をやっている」

「す、すいません!俺は、ちょっと新しい剣を手に入れたんで舞い上がっちゃって」

「そうか。ならいいが、あまり不審な行動を取るな。お前、どこの国から来たんだ?」

「え!?」

俺は少々戸惑ってしまった。日本と言う国を知っているのだろうか?いや。知らないだろうな。

「そ、それは言えない」

「どうしてだ!?」

後ろに立っていた男性は鞘から剣を抜き、俺に向けた。

「その、俺は流浪の民で移住をしながら住んでいる。それに、俺が生まれた国は言ってはいけないと掟で決まっているんだ」

「……」

しまった。盛り過ぎたか。

「そうか。私も聞いた事あるな。流浪の民か。ここにいるという事はお前は聖地に行くのか?」

「あ、ああ」

「なら、一緒に行かないか?」

「え。いや、いい。俺は歩いて行くから」

そう言うとその女性は落ち込みながらそう言った。

「そ、そうか。なら、私に訪ねて来てくれないか?何日でも待っている」

「あ、ああ。分かった」

「私はセレスティア・バルドーナ。聖地の学院にいる。学院の者にそう名前を出したらいい」

「俺は黒鉄愁斬だ」

「愁斬か。待っているぞ!!」

そう言うと、馬車は走り出してしまった。

俺は見えなくなるまで見送り、歩き始めた。

こういう異世界系はステータスとかあるんじゃないか?俺は周りを見ていた。だが、流石に田舎で誰もいない。

手をかざすと、ピコンと鳴って何か画面が出て来た。

「これがステータスか」


――――――――――――

指名:黒鉄愁斬


年齢:17歳


魔力:700000


属性:水、炎、雷、風、地、光、闇


――――――――――――

俺の属性オールクリアじゃん。何かチートの代表だな。

俺の心情はあまり驚いていなかった。


しばらく歩いていると、爆発音が聞こえた。急いで行ってみると、そこには墨塗れになったツインテールの女の子が立っていた。

「おい、大丈夫か?」

「ごほっごほっ!何とか。ってあんた誰よ!?」

「俺は黒鉄愁斬。お前は?」

「わ、私はリーリャント・ベッヘアーゼよ!知らないの?ベッヘアーゼ王国の国王!!」

これはまた大変な相手に出会ってしまった。

俺は笑顔で女の子を立たせた。

「悪いな。こういう情報には疎くてさ。でも何で国王が護衛の1人も連れずに歩いてんだ?」

「ちょっと息抜きがしたかったのよ。それにしてもあなた礼儀を知らないのね。普通なら畏まって話すし、上から見ないわ」

「お前が望むならそうするが、1人でいるってことはお前そういうの嫌いなんだろ。俺は人が嫌う事はあまりしないんだ」

そう言うと「ふーん」と言って俺を上から下まで見ていた。

「あなた、どこに向かうの?」

「聖地っつーとこだな。ちょっと会わなきゃいけないい奴もいるし」

俺はさっき会ったアリスティア・バルドーナの事を思い出した。

「そう。なら、護衛を引き受けてくれない?お金は出すわ」

「有難い話だが、断る。俺は1人で旅をしたいんだ。だから、了承は出来ない」

そう言うとツインテール少女は微笑んだ。

「なら、聖地で会いたいわ。私の所にも来て」

「分かった。必ず行くよ」

そのツインテール少女改め、リーリャント・ベッヘアーゼは空高く飛び消えて行った。

「今日は災難だな。取り敢えず進むか」

そう口にした瞬間、周りは変な生き物に囲まれた。ウサギの様だ。

観察していると、何か表示が出て来た。

”アイズラビット。地の精霊王の眷属。脚力が特化しており、とても素早い。”

解説付きか。こりゃ便利な事で。

「さて。これから狩りの始まりだ!!」

俺は鞘から剣を抜き、構えたすると一匹の怪物が飛んできた。ギリギリで交わし、それを何度も繰り返した。

「ちっ。これじゃ埒が明かねぇ。あ、そういえば俺魔法使えるんだったな」

俺は構えて聞いた事のある魔法を唱えた。

「”炎玉ファイアーボール”!」

そう言うと大きな火の玉が出てきて、放った。すると、アイズラビットは吹っ飛んだ。それを見ていた他のアイズラビットは逃げて行った。

ふっ飛ばした所を見ると何やら宝石のような物が転がっていた。小包にどんどん入れて行った。

全て拾った俺は歩いて行った。すると、火柱が立っていた。

「なんだ、あれ」

周りを見渡すと、他にも水柱、地柱、風柱、雷柱、光柱、闇柱が立っている。

「ま、俺には関係ないか」

何も考えず、歩いて行くと森から煙が立っていた。俺は一応そこに向かった。

そこには大きな竜が捕まっていたのだ。

「まじかよ……」

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