第27話 決戦2
巨大な
巨大な体躯と特徴的な背中の大砲は木の葉や蔦で偽装が施されているとはいえ、その凶悪さは見るものが見ればすぐに理解できる事だろう。
「成る程ねぇ、あれじゃあ奴も仲間に頼らざるをえなかった訳だわ」
双眼鏡で確認しているフェビリが感心した様に呟く。
しかし、目の前に身体を地につけている
あのザマでは最早身動き一つ出来ないだろう。
「・・・しかし、大砲の向きは拙い。あの角度、ハンプトン村が巻き込まれてしまいますよ」
同じく双眼鏡で観察していた隊員の一人が苦々しく呟く。
果たしてあの大砲は使えるのか?多少の疑問も残るが使えるなら確かにヤバイ。
森や小高い丘をはさんでいるとはいえ、あの大砲の向こうは紛れも無くハンプトン村だ。
元来耐久性の低いあの
セイバ暦が始まって凡そ800年の間にもたらされた彼らの
こちらから
こちらには射手が二人いる。近づきさえすれば身動きできない分、あの
「
彼の配下の女性隊員が提案する。
「エスタバサ、いや、あれはもう気付いてるな。むしろこっちの戦力を見極めてるってところか、蜘蛛の眼ってヤツはそういうもんだからなぁ」
時間には多少の余裕がある。しかし、援軍も待つのも難しい。
「ソフィー後方に下がって『蜘蛛発見』の合図をあげてくれ何にしても報告は必要だからな。エスタバサ、お前さん遠当て得意だったな。もうこっからでいいからやっちゃってくれ」
「了解」
「了解しました」
ソフィーは短く答え、エスタバサも少しだけ笑顔を見せながら敬礼する。
素早くソフィーが岩壁の方へ走り去る。それを見送ってからエスタバサが弓を構えた。ケリーの使っているコンパウンドボウと同じタイプ、しかしオプション装備のスコープはなかなか良い物を使っている。
エスタバサは弓を引き絞って行く。ギリッギリッと響く音と共に緊張感も増して行く。
ヒュッ!
矢が解き放たれた。通常の人ではあり得ない飛距離と精度は流石に『ヴァルキリュア』装着者。
いや、精度はどうしても血の滲むような鍛錬とセンスが必要。彼女も大したものだ。
軌道は寸分違わず
ガキンッ!
それは植物の根の様な触手をうねらせながら確実にこちらを威嚇している。そして釣られる様に次々と姿を現わす
「参ったな、
声色は相変わらずお気楽なモノだがフェビリが
「ほんじゃあ、行きますとしますか、エスタバサ、ケリーは隙を見てアレを頼む、後はまぁチームワークって事でいこうか、ラストだ!出し惜しみだけはすんじゃあねぇぞ、じゃあ行くぜ!」
「3」
「2」
「1」
「GO!」
掛け声と共に先頭でダッシュするフェビリに続く全ての隊員たち。
出し惜しみなしか、俺はどれだけ持つかな?
『ヴァルキリュア』が埋め込まれているで有ろう
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