第19話 ターゲット4
リリアリスは長く白い髪を一つに結わえ尻尾の様にフリフリとさせている。白い肌と赤い瞳は白兎を連想させた。彼女は忙しなく耳を動かしながら話しかけて来る。
「大っきいのいるけどネ。あれじゃ無いネ」
ジャイアントクラスの
確かに、アイツがターゲットの
しかし、だからと言って見逃す訳にはいかない。いずれにしても
現在、戦力的には五分五分に見えない事もない。
いや、こちら側から見るとよく分かる。扇状に広がる戦場。自分達の前を進んでいた後衛組も既に戦闘に参加しているでは無いか!
インカムは雑音だらけで使えない。また、こんな時の為の指令書。そのフォーメーションすら守れていなかった。
なんてグダグダな隊員達なんだ!
岩石だらけの足場の悪さでもこちらが不利、数の力で何とかしていると言う感じだ。
更に具合が悪い事に、副官のズリエルは身振り手振り何やら叫んでもいるだけで足を引っ張っている様にも感じる。因みに彼は3人の隊員にガードされていた。
それに気づいたかどうか、早くも
シュルシュルとさほど音を立てず、交戦している副官達との距離を縮ていく球根型。
球根ボディの下部に小さな穴が開いたかと思うと、そこから一気に銃身が伸びる。
あいつ、ニードルガンを持っているぞ!
ニードルガン。
工房によると仕掛けはボウガンのそれに近い様ではあるが近距離射撃でそれを食らうと
「副官っ!危ないっ!」
ズリエルと共に戦っていた1人の隊員が叫ぶ。
銃口は見事に此方の司令塔を狙っていた。
ガガッガガガッ!!と鳴り響く射撃の音。
3人の隊員に守られながら必死に指示を出していた副官ズリエルは、ニードルガンの銃口に全く気付けぬまま針を顔面に受け大きく仰け反る。飛び散る鮮血、恐らくはその時点で即死であっただろう。
その惨劇に迂闊にも気を取られた2人の隊員も隙を突かれ斬り伏せられる。
そして二機の
バシュッバシュシュッ
でっぷりとしたズリエルの肉体に突き刺さる
「ズ、ズリエル様!」
騎士団の正隊員達にも動揺が走る。
このままではマズイ。
チェイスは
「此方に注意を引きつける!オリバー!
右手に刀を抜き、猛然と走る。
「おうよ、ケリー、チェイスのサポート頼む!」
「はいっ!」
ガシャガシャと身体を鳴らしながら迫り来る
チェイスは素早く左へと身体を回転させて攻撃をかわすと、同時に返す手で
そして素早く逆回転、二機目に控えていた
二機の人型は一瞬にして首を失い。剣をフラフラと振り回しながら彷徨う。そこへ彼らの動力源、
ケリーか、連射が出来るなんてやるじゃないか!
射手は
大した練度とセンスだ。
もう背後を気にする必要は無さそうだ。
チェイスは更に全力疾走。
オリバーもチェイスをカバーする様に後方から走る。そして彼の元にも
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