第12話

彼に対してその時どうすべきが正解だったのかはわからない。

だが少し時間を置いた彼は「彼女は幸せだったよ。君や子供たちに支えられて。」と言った。自分を決して前に出さない彼らしい、私を気遣う言葉が、少なくとも不正解ではなかったのだと思わせた。


子供たちもあれから見ていない。母が亡くなった事を知りうるのかもわからない。

彼が再び笑顔を見せるようになるにはそれなりの―あくまで私の尺度では―時間がかかった。

しかしそれからの私たちは、二人だけだった出会った頃の時間をなぞらえて過ごした。

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