第8話
上小田井駅。鶴舞線の終点であり、そして鶴舞線では最後に出来た駅である。昔この付近には犬山線平田橋駅があったが、地下鉄との相互直通運転にあたりその駅を廃止・高架化して上小田井駅を作ったという経緯がある。ホームは二面四線で、内側を鶴舞線・外側を名鉄犬山線が使用。駅北側には留置線が二本用意されており、上小田井終点の電車はそれを利用して折り返す。
名古屋第二環状自動車道が上に通っており、下は国道三〇二号を跨ぐように駅が作られているため、駅舎は北側と南側に分かれている。駅は反対側の結節点・赤池駅とは違い名鉄管理でホームの表示も名鉄側の仕様であるが、名古屋市交通局からの連絡を受け乗客の避難が行われた。
乗客達の避難場所として使われている駅南側のバスロータリー、そこに白いキャビネットのトラックは複数台入ってきた。それらのトラックが停止すると、同時に扉が開き、中から紺色一色に身を固めた隊員達が降りてくる。ヘルメット、身体は防弾チョッキで身を固めた装束。顔は個人の特定が不可能なように目以外の部分を覆う。愛知県警の場合は警備部機動隊に所属する、特殊急襲部隊・SATの隊員達である。
彼らはサブマシンガンを抱え、南改札を通り、左右に分かれて階段を上る。ホームへたどり着くと一部は線路に降り、残りはサブマシンガンを構えた。
それに先立ち、トンネル入り口付近には県警ヘリがやってきて低空でのホバリングを行っていた、その爆音を近隣の住人達が気にし始めた頃、ヘリから数名の隊員が降りる。こちらもSAT隊員。この付近にはレール保管場があり、左右の幅が広く取られている。このことを利用して、線路脇で列車を待つ。
「本部へ。準備完了」
隊長が一言、無線で告げた。
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