22話「ロリのために労働しているが、俺はロリコンではない④~元プラチナバッジ冒険者の秘密~」

ネタバレ伏線ver


http://suliruku.blogspot.jp/2017/01/22_17.html


妖精のような美少女が逆夜這い。男なら誰だって体験してみたい魅惑的なイベントだろう。自分が異性からモテモテで魅力があるという証拠になるし、スケベーな事もできて役得だ。

しかし……白真珠みたいな幼い娘を抱くのは犯罪だろう。だから俺は欲求を我慢して――


「だ、駄目だ……!俺と白真珠は出会って二日そこらだろう……?確かにこの悪徳と背徳の都にいる女は、出会ってすぐに合体するような女ばっかりだが……俺は白真珠とはもう少し普通に付き合いたいんだ……」


「え?抱きしめてくれないんですか?」


「いや……幾らなんでもそれは……え?抱きしめる?」


「抱きしめてほしいんです、そうすると安心して眠れる……そんな気がするんです。もう一人で孤独な夜を過さなくても良いんだって。毎回毎回、骨とか折ったり、地面に悪党を埋めずに済むんだ……そう思えるんです」


「そ、そうか……そういう事なら……うむ、良いだろう……俺は紳士で良い男だからな、うん」


俺は小さな銀髪ロリ娘の体を包み込むように、優しく抱きしめた。軽くて柔らかくて良い匂いがする。

背中に手を回し、モギューと強く密着すると、白真珠の大きな胸から心臓の鼓動を感じて、俺の心臓もそれに合わせて脈動していた。

ドクンッドクンッ……ね、眠れない……。可愛い娘と抱き合っていると思うと、頭と体が興奮してエロい事で頭が一杯だ。しかし、こんな俺と違って……白真珠の方は安心感を得て、すっかり油断している。

うむむ……これが男女の価値観の違いか。男はエロい事を考えている時、女は爽やかな事を考えているっていう奴だな、これ。


「……お師様と抱き合っていると……僕、心が落ち着きます……」


「お、おう……そうか……」


「お師様と出会えて良かったです……変な事もしないですし……お父様って呼びたいくらい敬愛してます……」


大変だ。俺はこのままではリアル光源氏さんになって、ロリの荒野を駆け巡る狼さんになりかねない。

こんなにも可愛くて素直で、俺を慕ってくれる女の子なんて初めてだ。普通、このくらいの年齢の女の子はもっと我が儘で、好き勝手に生きているはずなのに……。

白真珠の大きな胸が、俺の胸に当たってやばい。今の俺の姿は軽装の黒いパジャマだから、余計につやつやの肌の感触を味わって、白真珠を女性として意識してしまう。

こういう時は――別の事を考えて、思考を誤魔化すしかない。ことわざを思い出そう。この悪徳都市に伝わる大量の諺を思い出せば、勉強になるし、注意すべき留意点にも気づくはずだ――


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冒険者には棺桶が必要ない。(財産は都市が没収する)


ダンジョンには財宝と女が埋まっている。


悪い冒険者は弱い冒険者、良い冒険者は強い冒険者


奴隷を買う客は、次の奴隷だ。


法律は紙切れより弱し


犯罪者は貧乏人


背徳都市に来た日本人は三ヶ月で、日本人をやめる


無実を勝ち取れるのは金持ちのみ


北には美食が、西には女が、南には冒険者が、東には奴隷が、中央には豚がいる


楽しむ事が一番大事で、我慢は要らない


この都市に処女は居ない、女を知らない男はホモ。


-------------

そうだ、食べよう。銀髪の可愛い赤ずきんちゃんを食べて、ロリの大草原を駆け巡ろう…………いや駄目だろ。

いくら可愛くても……絶世の美ロリでも……親の愛情すら知らない可哀想なロリ娘だぞ?

この都市の男どもなら、3歳児だろうが食べちゃう変態がいるに違いないが、俺は日本男児だ。悪党都市の背徳的な常識に染まってはいけない。

快楽の魔族が経営しているとしか思えない非常識な奴らの常識なんかどうでもいい。

爆殺された前都市長なんて、大勢の美しいショタ少年を囲い込み、飽きたら残虐な処刑ショーを開催して殺していたキチガイだったし、あんなクズにはなりたくないのだ。俺はピュアな心を保ったまま生活したい。ブラドさんみたいな人物を支援して、都市を綺麗にしないと……人類は家畜として、食用豚や食用牛と同レベルの存在となり、魔族と『平和で食用肉的な方法で』共存するハメになるぞ。


「お師様。僕、とっても気になる事があるんです」


白真珠の顔が……俺の目の先にあるくらい、すぐ近くだった。淡い吐息すら伝わってくる微妙な距離感にドキドキしながら俺は返答する。きっと今の俺はリア充ならぬロリ充だ。


「な、なんだ……?な、何が気になるんだ……?」


「ドナルドさんから元プラチナバッジの冒険者って聞きましたけど……どうして僕と出会った時、お師様は黒バッジだったんですか?黒バッジって最底辺のランクですよね?ひょっとして僕みたいに、稼ぎをほとんど納めなかったとか?僕、お師様の事をもっと知りたいです」


「……俺はこう見えてもな。世界有数の魔道学者なんだ。冒険者としての功績というより、色んな魔法を開発した功績でプラチナバッジになれたんだ」


「魔道と魔法とか言ってますけど、意味は同じなんですか?」


「うむ、同じだぞ……火と炎みたいな感じだな」


ややこしいだろうが、魔法も魔道も意味は似たようなものだ。文字通り、魔の法則であり、魔の道である。それを解き明かし、魔法を改良・開発するのが魔道学者の仕事だ。。


「いったい……お師様はどんな魔法を作ったんです?僕は魔法どころか文字も最小限しか読めなくて、どれくらい凄い事なのか具体的には分かりませんけど、きっと凄いんですよね?100億円をポンッと出せる時点で、石油王かと思いましたよ?」


「影人間を召喚する魔法とか、空を飛ぶ魔法とか色々あるな……夢中になって色んな魔法を作ったから、役に立つ魔法とか、微妙な魔法とか、完全な失敗作とか無数にあるぞ。まだまだ新しい技術だから、色んな可能性を模索できる所が楽しいな……」


「お師様って格好いいなぁ……魔法を開発したから金持ちなんですよね?確か有用な魔法を開発した人には、とんでもない特許料が流れるって聞いた事がありますよ?

今まで開発した中で一番凄い魔法ってなんですか?僕、とっても気になります!」


「……言えないんだ……。俺は魔導学の歴史上……一番凄いと言っても過言ではない魔法を開発したせいで。学会を要らないゴミのように追放されて、最底辺の黒バッジに転落したんだから……」


「え?どういう魔法だつたりします……?」


「……魔族達が草食動物のような生態系を持っていることは二日前に話したな?」


「確か……対立しないために、とんでもない偏食家になったとか言ってましたね……草原のサバンナにいる動物さんみたいに1本の草を分け合って暮らしているとか……」


「草食動物がいるとしたら、その上位に君臨する肉食動物みたいな魔族もいるって事になる。

生物は膨大な食物連鎖の上に成り立っているのであり、肉食動物がいないと草食動物は数が増えすぎて自然を食い荒らして崩壊させてしまうんだ」


「食物連鎖?」


「太陽光は草に食べられ、草は虫に食べられ、その虫は別の虫に食われ、虫は鳥に食われ、猫に食われ、死んだ猫は草の肥料となる。この自然の壮大な営みを食物連鎖って言うんだ。

いや、本来はもっと複雑な感じに入り組んでいるから食物網という言葉の方がしっくる来るか。生物界は網のようにお互いに喰らい合う事でバランスを保っている……まぁ人間は自分たちで食料を生産する技術を持っているから、例外中の例外な訳なのだが」


「……よくわからないんですけど……魔族に肉食動物みたいな奴がいるって事ですよね?そいつは強いんですか?」


「ああ……全ての魔族の頂点に立ち、人と魔族を食い荒らす絶対者。絶対なる創造主にして殺戮を楽しむ万物の王。俺はそいつの力を使った魔法を研究していた……いや、やめておこう。

白真珠、今のは忘れてくれ」


「どうしてです?」


「……地球……いや、人類が支配している領域では、この魔族の事を話題にするのは究極の禁忌なんだ。

詳しく説明できないが……黒バッジに転落するよりも、もっとひどい目にあう恐れすらある。それほどまでに機密中の機密であり、普通ならこんな話をする事そのものすら危うい」


「じゃ、もっと、モギューと強く抱きしめてください。僕、お師様に抱きしめて貰えたら、それでいいです。難しい話よりそっちの方が嬉しいですし」


「お、おう……」


俺は、可愛すぎる大事な女の子をもっと情熱的に抱いた。

こんなにも可愛い生き物に会った事がない。性格的な相性が良いのだろう。こんなにも良い娘を魚のようにキャッチ&リリースしたら……逃した魚は大きかったなと、一生後悔しそうだ。

背中の肌もすべすべで暖かい。白真珠は最高の抱き枕だ。ロリ娘枕とか、贅沢すぎるぞ、俺。

しかも、黄色と白色の縞々パンティーを履いている時点で、芸術的な要素すらあって美しい――


ドカーン


……まるで、俺の今の充実っぷりに嫉妬した誰かさんを表現しているような爆発音が遠くから聞こえた。

この状況で命を狙われる人物といえば――


「お祖父様!?」


ブラドさんの命が危うい!?

---


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 完全にこれは


(´・ω・`)ロリ


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)コン

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