13話「ロリと裸の付き合いをしたが、俺はロリコンではない③~おっぱいの谷~」



綺麗に体をゴシゴシと丁寧に洗い終えた俺達は、湯船へと浸った。

もちろん、ただのお湯ではない。この極楽な時間を堪能するために俺は金を惜しまないのだ。

お湯に大量の薬草を煎じて作った薬用入浴剤『ス、スッキリー』が入っていて、そのおかげで薄く赤色に濁っている。

これを販売している企業の宣伝を信じるなら、この入浴剤には身体を癒す効果があり、肌を潤す保湿成分たっぷり。

コラーゲンもたっぷり入ってるらしい。つまり肌がツルツルになってウハウハなのだ。

実際の効果は不明だが……そう思い込むだけでも気分が良くなって健康への効果は抜群だ。

俺と向かい合ってお湯に満足している白真珠も、この風呂の素晴らしさをすぐに理解できたようだ。

大きなオッパイがお湯のおかげで浮遊島のように浮かび上がり、女体の神秘という奴を表現していて凄い。

俺はロリコンではないが、やはり女性の身体には魔法的な作用……いや、吸血鬼の身体には不思議が満ちているのだろう。

白真珠の真っ白な綺麗でビューティホーな身体をゴシゴシと洗っている時も不思議だった。

あんなにも柔らかくてフニャフニャなのに――銃弾を手のひらで掴める時点で恐ろしい。きっと、吸血鬼の身体は魔力で強化すると、柔らかくて硬いという謎の物質にクラスチェンジするのだろう。


「ぼ、僕、セレブになれました……ああ……気持ちいい……。

これから毎日、風呂にはいれるんですね……お風呂ってなんでこんなに良いんでしょう……。

もうお風呂は心を癒す至高の文化です……。芯の中から温まって極楽極楽……。しかも高い入浴剤を使っているんですよね?」


「たった50万円の安物だ」


「……ああ……僕の金銭感覚が崩壊しちゃう……。家賃の十分の1くらいの値段な時点で高すぎますよ……。

ちょっとした上級サラリーマンの月収だと思います……良い……この風呂、癒されます……あ、そうだ。

さて、僕の事を何から話しましょうか……?」


うっすらと顔を赤らめた白真珠が、年齢に見合わない色気を出していた。ロリといえばエロ要素なんぞ、ほぼ皆無という生命体のはずなのに、どうしてこの銀髪ロリはこんなにもエロ可愛いのだろうか?

俺が悪徳都市の生粋の住民なら、今頃、手を出して……骨をボキボキ折られているはずである。

悪党を返り討ちにできる怪力があるとはいえ、こんな物騒な職業を選択しているのは謎である。いや天職かもしれないが……大半の女冒険者は、ゴリラとかカバみたいな勇ましい外見をしていて、襲う側の男たちの犯る気を失わせている気がするだけに、白真珠や昨日あった巨乳エルフみたいな可愛い娘はレアだと思うのだ。


「白真珠に聞きたい事があったのだが……どうして白真珠は冒険者になろうと思ったんだ?

冒険者といえば聞こえが良いが、実質はただの傭兵だぞ?危ないし、命は軽いし、バッジのランクが低い奴は低待遇されて差別されたり、虐待されたりして結構ハードな日々を送っている奴らだらけなのだが?」


「……お爺様に会うためです」低くて切ないロリボイスだった。


「……それまた凄い動機だな。お爺さんを探して三千里ならぬ……えと、ここから地球まで最短でも1万km以上くらいあるよな……お爺さんを探して一万里か」


「ほら、あの人です」


白真珠の柔らかい小さな指が、テレビの画面を指し示した。

テレビには、白いスーツで清潔さをアピールしたお爺さんの写真が、大きくに映し出されている。

髪も真っ白、時計も真っ白、どれだけホワイトな色が好きなんだ!とツッコミたくなるくらいに、真っ白な老人……ブラド・パールが映っていたのだ。

写真の下にいる、二人のアナウンサー達が好き勝手に現状の選挙状況を伝えている。


『都市長選挙戦は、ブラド候補が圧倒的にリードしてますね~、この都市を浄化してやる!っていう宣伝文句が一部のまともな人間達を引きつけたのでしょうか?』

『いえいえ、対立しているバグダイン候補が逆転する可能性はまだまだありますよ。彼は前都市長の懐刀と呼ばれ、この都市を象徴するような人物ですし』

『ですが現在、ブラド候補への支持率が91%、バグダイン候補への支持率は2%なのですが……?』

『前の都市長は支持率0%で、連続当選してましたからね。まだまだ挽回するチャンスがありますよ。自分以外の候補者を全員殲滅しても当選できますしね。

ああ、もちろん、警察や米軍のお世話にならない方法で選挙をやってほしいんですが、最近のテロ事件を考えてみても望み薄でしょう』

『放送カット!放送カット!これは流しちゃ駄目!』


「とんでもないお偉いさんの孫娘だった!」


まさか、この悪徳都市の頂点に君臨するかもしれない存在が、白真珠の祖父とは知らんかった。

……いや待てよ?白真珠が吸血鬼という事は……ブラドさんも吸血鬼なのではなかろうか?

この腐った悪徳都市を浄化し、クリーンにしようとする人物が、人間を食べる化物だったとは酷いオチである。いや、孫娘の白真珠がこんなにも良い娘なのだから、輸血パックやトマトジュースで我慢している正義の吸血鬼かもしれないから、これ以上の推理は白真珠の言葉を待ってからにするとしよう。


「……白真珠、お前、凄い偉い所のお嬢さんだったんだな……いや、確かブラドさんは富裕層出身じゃないから、結構、貧乏だったりするのか?」


「……僕、おじい様と会ったことがないんです」


「え?すごく複雑そうな家庭の事情があったりするのか……?」


こういう場合、親と祖父の仲が悪くて会う事がほとんどないパターンが、現実世界のテンプレなのだが、白真珠から返ってきた言葉は――


「僕のお母様とおばあ様が……悪い悪党に攫われて、すごく酷い目にあったそうなんです。

よくわかりませんけど、悪党に集団レイプ?えと、乱暴されて監禁されて子供を妊娠して、産まれたのが僕……なんです」


うむむ……白真珠にそんな暗い過去があったのか。

なるほど、どおりで悪党を憎む訳だ。そんな辛い過去があるのにこんなに素直で良い娘に育つなんて最高だな。

余計に目の前の銀髪ロリが魅了的な娘に見えてきたぞ。人は産まれや環境に左右されやすい生き物なのに、よくここまで善良なまま大きく育ったものだ……胸も豊満に我が儘な感じに育っているな、うむ


「拉致されたお母様は、悪党どもの巣窟に、タバコの火を利用して放火して逃げて、通りすがりのタクシーに乗って……」


なるほどなるほど、逃げ方としては迷惑すぎる逃げ方だが、火事が発生すれば消防や警察がやってくるからな。現場を攪乱して脱出するのにちょうどいいのだろう。


「そのタクシーの運転手も悪党の手先だったのか、お母様は散々、弄ばれてひどい目にあって監禁されたそうです」


「被害に遭いすぎだろ!?」


「ちなみに、他にも同じ様な事が十回あったらしいですけど、詳しい話を聞く前にお母様は病気にかかって死んじゃいました……。

オチはどれも家を放火してから逃げたらしいです……線香と水を組みわせると水蒸気爆発が起きたり、小麦粉をばら撒いて粉塵爆発させたりして、色んな悪党と戦ったって言ってました。

体は陵辱されても、心だけは渡さないのが人生の方針だったそうです」



きっと魔性の女だったんだな……。

幼い白真珠がこんなにも魅力的で美しいのだから、一般人を悪の心に染め上げてしまうくらい魔性の女だったのだろう。まぁ、実際に拉致監禁した悪党どもが悪いに決まっているが、美しい女性は生きるのが大変だ。

身勝手な地雷男に取り付かれたら、バラ色の人生が暗黒のブラックホール人生に変貌して苦労しまくったに違いないのだ。


「きっと、お母様は悪党たちに捕まって、好きでもない男たちから、たくさんキスされたに違いないんです……ああ、なんて可哀想なお母様……キスは好きな人としないと駄目ですよね……」


「おいこら待て。キスしたら妊娠すると思っているのか?」


「え?違うんですか?

院長先生が……女性はキスをすると、子供を授かるって言ってました。

だから、お母様もきっとキスをたっぷりされて、大変エッチィ事になったと思うんです……」


「……保険体育の授業は、学園であると思うから、そっちで習おうな」


「保険体育がどういう意味なのか分かりませんけど……」


突然、白真珠の両手が俺の右手を握った。オッパイとオッパイの間にある谷間へと挟み込み、真剣に俺を見つめてくる。。

ポニュンッ、ポニュンッ……この谷間にあえて名付けるならオッパイの谷だろう。柔らかくてフニョンとした感触が俺の手を包み込み、白真珠の心臓の鼓動を伝えてくる。

ドクンドクンッ……吸血鬼も生物なんだなと思い知らされた。いや、やっぱりオッパイには不思議とロマンがつまっていると言った方が良いかもしれない。

白真珠が何を考えて、おっぱいの谷に招待したのかは分からないが、とっても良い経験をさせてもらった。

普通の男なら、目の前の魔性のロリに興奮して、本能のままに狼さんになって、ロリの荒野を駆け抜ける所である。おっぱい谷にいるだけで俺の心が癒されて、生まれた頃に戻ったような錯覚を感じた。


「お、俺はロリコンじゃないぞ――」


「僕の血は……半分は、お母様を虐めた悪党の血が流れています。

その悪党の血が吸血鬼なんです。

太陽に焼かれる嫌われ者……まぁ、僕の場合、再生能力と身体能力が凄いだけで、中途半端なんですけどね。

たくさんある弱点がほとんどない代わりに、メリットも中途半端なんです」


「う、うむ……確かに身体が凄いな……」


至福の時間だった。悪徳都市で健気な娘に出会えて、オッパイの谷にご招待されるのは光栄である。

柔らかいプニュンップニュンニンッな二つの塊に囲まれ続けたら、今日からオッパイの眷属にされそうだ。

白真珠は自分の胸にそんな価値がある事を知らないのか、今度は首から下げているペンダントの蓋を開けて――中身を俺に見せてきた。

そこには小さな写真があり、白真珠に似ている女性達が写っていた。

真っ白な髪で、明るく豊満な大地神のごときオッパイを持つ美女と、同じく真っ白な髪の14歳くらいで両手でダブルピースをしているアホな感じの美少女が、若い頃のブラドさんを挟んで両隣に並んでいた。彼女達は明るい未来を感じさせる笑顔を浮かべているが……不幸な結末を迎えて、悪党どものゲスな欲望の餌食にされたのは容易く想像できる。

なにせ…その、なんだ。白真珠と同じ遺伝子を持っているという事が、一目見るだけで分かるのだ。

どの娘もオッパイがとっても大きくて、男好きする良い身体である。

きっと、悪党どもはこの神クオリティのオッパイを好き放題揉んで、散々スケベーをしたのだろう。


「僕は……ダンジョン世界の悪い人が集まる大都市に、写真に写っているお爺様がいるとテレビで知って、凄く会いたいと思いました。

途中の道中で、爆破テロが次々と発生していると聞いたら、今度はお祖父様を守りたいと猛烈に思ったんです……。

冒険者になれば、護衛の仕事とか受けられると思いますし……お祖父様がどこに住んでいるのかは分かりませんが、お師様みたいな金持ちに、この写真を見せれば、きっとお祖父様の家へと連れてくれる……そういう打算でお師様に近づきました。

あ、なんとなく安心できる男性だなと思ったのも、理由の一つですよ?

この人なら骨を折らなくても良いって思ったんです……襲ってきたら両腕の骨を折る予定でした」


「お、おう……」


なんて事だ……白真珠は俺を試していたのだ。銀髪ロリの素晴らしさを理解して襲っていたら……今頃、骨をボキンッ!と折って、ブラドさんの家まで道案内させる気満々だったのだ。

近接戦闘に弱い魔導師の弱点を理解して、目の前の可愛い娘は俺の所へとやってきたのだ。

……うむむ、手を出さなくて良かった……。

いや、手は出しまくりなのだが。未だに俺の右手はオッパイの谷に行ったまま帰還してこない。

柔らかい白いオッパイと触れ合っている感覚がたまらん。揉んだら骨を折られると思うと余計に緊張して俺の心臓がドキドキする。


「噂だと、対立候補のバグダインはとんでもない大悪党らしいですし……。

ほら、前の都市長って悪い人だったって、他の都市のテレビで言ってましたよ?

支持率0%なのに、ずーと選挙で当選し続ける悪の独裁者だったんですよね?」


「お、おう……」


「お願いです、お師様。僕と一緒に……おじい様を守ってくれませんか?

おじい様は命を狙われているって、チーズ校長が言ってました」


校長……ちゃんと保護者のところに送り届けろよ……。まだ小さい子供だぞ……。

いや、素直に送り届けていたら、俺と白真珠は出会う事もなく、スライム・サンにエロい事されていたエルフ娘が俺の彼女になっていたかもしれないが。

こんなに魅惑的な魔性のロリと出会えるなんて俺は幸運だ……ロリコンではないが、こういう経験は良いものだと思う。


「お師様……僕と一緒におじい様を守ってくれませんか?

僕ができる事なら何でもします……」


「な、なんでもだと……」


白いオッパイ柔らかい、好きなだけ揉みしだいてみたい……く、こいつは年上キラーだ。

ロリコンではない男をロリコンに変えてしまう魔性のロリだ。危うい。

呪文を唱えよう。俺はロリコンではない。銀髪ロリに欲情してないし。ピンク色のリボン付きパンティーに萌えてないし。マシュマロのような柔らかいオッパイに挟まれても狼さんにならない健全な男なのだ。

思わず太ももに頬ずりしてスリスリしたいなぁーと思った事もなく、目の前の小さい娘とキスしてみたいと思わない普通の日本男児だ。

だから言ってやろう。この魔都の暗部が関わっていそうな選挙戦に参加しないってな。

そう言ってやろう。支持率0%でも当選できる腐敗しきった魔都で、正義の心はガラスのように脆く儚いって事を……目の前の真紅色のルビーのように綺麗な目を持つ銀髪ロリに言ってやろう!


「そ、そうだな……

ダンジョン学園のクエスト部にでも行って、仕事をもらってこようか……。

あ、あそこなら護衛の仕事の募集とかハローワークみたいにやっているだろう……」


……ごめん、目の前の魔性のロリを見ていたら俺のロリコン心……ではなく、正義の心まで刺激されてしまったようだ。

白真珠は喜んで抱きついてくる。俺は豊満な胸がポニュンッと触れてくる感触を味わいながらも、目の前の未成熟な魔性のロリに手を出すのを我慢して――


『緊急ニュースです!ダンジョン学園で爆弾テロという情報が入りました!

最近の爆破テロと関連があるのでしょうか!』


テレビ経由で、この都市の腐敗っぷりを再確認させられたのだ。




ーー



(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) ロリと風呂に入っている時点でただものではない!?


(´・ω・`)ちなみに、白真珠のお母様は現実のレイプ事件を参考にしたから、ひたすらレイプに被害に遭いまくる被害者は現実にいるんじゃよ。


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) そんなー!?現実はクソゲーだった!?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る