14話「ロリと裸の付き合いをしたが、俺はロリコンではない終~ロリと保健体育~」





『続報が入りました!クエスト部がある校舎が爆破されたとの事です!死傷者多数!大勢の人が生き埋め状態になっており、冒険者達が救助活動に当たっています!』


学園が爆破された……広大な設備を誇り、食堂や体育館、部活用の家屋まで存在する学園は、小都市に匹敵するサイズがある。つまり、爆破されたのは極一部だけだろう。

入学式に集まった連中の数は、少なくとも1万人ほどは居たはずだ。それだけの大勢の人間が飲み食いし、訓練し、膨大な仕事を受注して分配できるシステム……それがダンジョン学園なのだ。

だが、それだけにどこを爆破すれば学園が困るのか簡単に分かる。

俺の隣で首を傾げている白真珠には、このテレビのニュースがどのような意味を持つのか理解できていないようだが。


「えと……これはどういう事なんですか……?学園でテロってどういう事……?」


「……学園に所属する冒険者は、基本的にクエスト部という部署から仕事を貰って生活している。

代わりに報酬の一部を学園に仲介料として払っているんだ。それが何故だかわかるか?」


「学園が儲かって美味しい?僕も人を使う立場になりたいです」


……可愛い銀髪美少女がこんな発想する時点で、貧乏って辛いなぁ。

貧乏は人を貪欲にさせ成長させると言うが、僅か10歳ほどの子供の人生観に影響を与えまくりだ。大きな器を持つ偉人として成長しそうだが、普通の人間が白真珠と同じ境遇に生まれ育ったら、昨日死んだ悪党みたいに育つと思う。

仕方なく俺は口を開き、愛しいアホ吸血姫に説明してやる事にした。


「まぁ……それもある訳だが……依頼者ってのは最小限の報酬を払って、最大限の成果を得たがる生き物なんだ」


「時給2000円って書いてあったのに、時給千円のアルバイトだった……って感じの話ですか」


「うむむ、恐ろしいくらい、むちゃくちゃな難易度の仕事を、安い金でやらせようとしてくるモンスターだと言っても良いだろう。

しかも達成した後に足元を見て、値切ろうとする奴までいるくらいだ。

それを阻止するために、学園や冒険者で構成された組織にはクエスト部が存在する訳だ。

依頼人と交渉して、値段を釣り上げて契約させるプロの営業マン達がな」


ちなみに……冒険者の経験がない営業マンが、無茶な仕事を大量に持ってきて、全滅して借金まみれになって潰れた民間軍事会社がたくさんあるのは秘密だ……。

一度、仕事を引き受けた以上、失敗でもしたら違約金を払わねばならない。社会人は結果が全てだ。

世間も結果しか見ないし、努力の過程なんてどうでも良いのである。だからこそ、営業という仕事に求められるスキルは高く、膨大な人脈と交渉力がいるのだ。


「も、もしかして……?クエスト部が爆破されたら……プロの営業マンさんも死んじゃうって事じゃ……?」


「白真珠のお爺さんの護衛依頼があっても……クエスト部が吹き飛んだら受けられない……。

どこかの偉い組織や、大人の冒険者が保証してくれない限り……俺達が仕事を受けるのは無理なんだ……。依頼人と交渉するにはテクニックが必要で、熟練した営業マンは簡単には育たない。

テロがあった直後だと、代わりの人材を確保するのも至難だろう。治安が悪い場所で仕事をしたがるバカは少ないんだ……」


「ど、どうしましょう!?」


白真珠が俺に抱きついてきた。大きくて柔らかいマシュマロのような胸が……ポニョポニョンっと当たって嬉しかったが……白い両手が俺の首を掴み、ゴリラを瞬殺できる怪力で締め上げてくる。

吸血姫の恐ろしいパワーで、首の骨が魂ごと折れそうだ。この銀髪ロリ娘を嫁にする男は死ぬまで尻にしかれ続ける運命を背負う事であろう――


「く、クビがっ……!し、死ぬっ……!」


「あ、お師様がお魚さんみたいに泡吹いてる……?す、すいません!」


俺が死にそうなセリフを吐いた事で、白真珠は力を緩めて、首から手を離してくれた。

足りない酸素を補うために、俺は深く激しく呼吸し、脳みそに栄養を送る。

うむむ……こんなに小さな娘に近接戦闘で勝てないのは、かなり悔しい……男としてのプライドがズタズタッに引き裂かれそうだ。


「ぜぇはぁ……ぜぇはぁ……」


「お師様、えと、すいません。とりあえず……これから、どうすればいいんでしょう?」


「こ、こうなったら……ブラドさんの家に訪れて、そこに俺の知り合いがいる事を祈るしかないな……。

確か行政組織が集中する都市の中央に、選挙事務所があるはずだ」


「もしも、知り合いが居なかったら!?」


「……諦めろ。今の白真珠じゃ評価されずに門前払いだ」


「ぼ、僕ってそんなに役立たずですか……?」


「いいか?俺たちの冒険者バッジの色っ!を思い出してみろ?」


「確か昨日……銅色になりましたよね……」


「銅バッジは本来なら仕事を通じて一千万円ほど稼いで、迷宮管理機構に納めないと得る事ができないランクだ。

あの時は、俺達が一番最初に入学式の会場に戻ってきた事をチーズ校長が評価してくれて、黒バッジから銅バッジへとクラスチェンジした訳だが……要人護衛の依頼は本来は金バッジじゃないと受けられない。つまり、10億円相当の金額を納めないと駄目なんだ」


……いや、俺の場合はペナルティーを科されているから、100億円は必要だろう

俺の総資産は一兆円以上あるが、話がややこしくなるし、今は言わないでおこう。

あと、白真珠の足りてない所を説明してやらんと駄目だな。


「それに白真珠は高い魔力を活かしていない。今のままだと遠距離攻撃戦になった時に蜂の巣になるぞ?

近接攻撃が役に立つのは乱戦になった時だが、それでも遠距離攻撃が役に立つ場面が多いんだ。火力を集中させやすいし」


「銃弾当たっても、少し痛い程度ですよ?僕の身体は丈夫です!」


「お、おう、そうか……。

でも、相手が魔導士だったり、魔族だったら、物理的な強度を無視して魂を壊しに来るからな……。

一応、魂が壊されても、百年ほどすれば治るらしいが……記憶も失うし……そんな結末は嫌だろ?人間は記憶の集合体であり、記憶を失う事は死ぬ事に等しい。むしろ魂よりも記憶の方が大事だと言ってもいいくらいだ」


「うううっ……」


「そこで俺は考えた。白真珠には武器が必要だとな。

今すぐ風呂を上がってパンティーを履け……いや服を着るんだ。一階にある武器屋に向かうぞ

……ところで代わりの服は大丈夫か?昨日の運動で汗でグチョグチョになったセーラー服なんか着たくないだろう?」


「セーラー服は、コスプレ喫茶店で労働していた時に、たくさん貰いました!だから予備はたっぷりあります!しかも、喫茶店の時給が良くて最高です!ロリに小判って奴ですよね!」


「いや猫に小判だろ……それだと、ロリに黄金あげても意味がないって意味になるぞ……」


「ちなみに、胸を触ったり、スカートをめくる客が多かったので、指を反対方向にへし折りましたっ!そしたら、なぜか警察に追われて大変です!」


「傷害事件の犯人!?

え?俺は裸とかたくさん見ているけど良いのか?」


「大丈夫です!お師様は何か安心できる人です!

今まで出会った悪党みたいに胸を揉もうとしたり、スカートめくりをしてこないですしっ!きっと僕と同じ正義の心って奴がお師様の魂に溢れているんだと思います!」


うむむ……ロリに安心される男……?そうか、俺がロリコンではない事を見抜いているのか。

白真珠が可愛くて仕方ないが、見て愛でるだけで手を出さない硬派な男だと覚えてもらっているようだ。

しかし、今の発言は問題があるな――白真珠の莫大な魔力を、俺が代わりに有効利用してやるという実用性がある方法があるのだが――白真珠が納得してくれるのか不明である。……うむむ、一応、言っておこう。


「そ、そ、そ、そういえば言うのを忘れていたが……」


「はい?緊張してどうしたんです?」


「ま、魔力を共有する方法があるんだ」


「どんな方法なんです?」


「こ、こ、こ、こ、こ、恋人同士がよくやる手段でな……き、キスするんだ。

そうすると魔力を共有して、魔力が足りなくて使えなかった魔法を使い放題で魔族も倒し放題……」


俺の発言に、白真珠は顔を真っ赤にして、指をズビシッ!と突きつけてきた。背が低いからホビットのように微笑ましい光景なのだが、下手に怒らせると骨を折られそうで怖い。


「……お師さま、僕を妊娠させる気ですね!そうは行きませんよ!安心できる男性だと思ったのに酷いです!」


「どうしてそうなる!?」


「院長先生が言ってました!キスをすると妊娠するって!」


「キスしたぐらいで妊娠するか!?」


「じゃ、どういう事をすると妊娠するんですか?」


「……学園で保健体育の授業を受ければ教えてくれる……はずだ。

なぜか男女別々の部屋で教育を受けるプログラムだったと思う、きっと神秘的な内容をそこで教わるんだろう」


きっと悪徳都市ならではの実用性がある避妊方法とか、子育ての仕方を教えたりするのだろう。


「いや、あのお師様?学園は爆破テロで休校するんじゃ……?」


「……十歳児が知るような事じゃない。ほら諺であるだろう?

ロリの耳に念仏」


「どういう意味です?」


「ロ、ロリに難しい話を聞かせても仕方ない」


「なるほど!僕が大きくなって賢くなったら教えてくれるんですね!」


「あ、ああ、うん、そうだな……。

大抵の女の子は、ベッドの上で教わるらしいから、白真珠にも何時か、そういう日がくるだろう、たぶん。

出来れば、俺の骨は折らないでくれると嬉しいのだがな、うん」


誰か、この可愛い銀髪ロリ娘に、保健体育の授業を教えてくれ。

男のパオーンが、女の神聖な神殿と合体したら妊娠するとか、とてもじゃないが教えられない……。


「もしも、お師様が悪党だったら骨を折ります。でも、お師様はたぶん、そんな人じゃないって僕は信じてます。

今のキスをしたら魔力が共有できるのって……冗談ですよね?キスしたら妊娠するのが世間一般の常識なんだと思います」





ーー

出典:ロリ諺時点


ロリに念仏、ロリがお経を唱えると可愛い。


ロリに小判、可愛いからロリについつい金貨をあげちゃう事



ーー



(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 結局、エロい事は何もしませんでしたね


(´・ω・`)健全な小説を目指しておるんじゃよ?


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) そんなー!?

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