8話「ロリと寝てしまったが、俺はロリコンではない⑧-ロリを自宅に連れ込んだ男-」






      玄関 

  

風呂    居間   トイレ

寝室    居間   倉庫


俺たちは鬼娘に見送られて一万円ショップを出て、真っ黒な専用エレベーターに乗った。ガコンッガコンッと俺たちを乗せた箱が上へと向かっていく。

縞々パンティーを大量購入させられた白真珠は、とっても得をしたという気分になっているようだが……可愛い下着と、トマトジュースくらいしか買ってない事に気づいてないらしい。

そもそも下着は相手に見せない神聖な衣服だ。

そんなもんに拘るのは壮絶に間違っている。白真珠は幼い娘なのだから可愛い衣服を買うべきなのだ。

特にフリルが付いた可愛いスカートが良いだろう……と思ったが、ここは悪徳都市。

スカートを履いた女性が被害に合う確率は、べらぼうに高く。大きな祭りのイベントがある度に身分関係なしに男女達がエッチィ事に励み、清楚な女性達は家に施錠して、祭りを静かに過ごさないといけないという酷さだ。

楽しい事、背徳的な喜びが優先される悪徳都市の日常は、この素直な銀髪ロリには辛すぎるかもしれない。

いや、怪力で悪い奴らの骨を折って、無双している姿しか思い浮かばんが。


ガシャコンッ。


俺の乗っている箱が目的地へと到着した。

電子掲示板は、最上階の50階を示している。扉が開き、俺はエレベーターを出て自分の部屋がある場所へ早足で歩く。

後ろから白真珠が付いてきた。


「お師様っ!最上階に住んでいるなんて凄いですね!」


「うむ……まぁ、最上階が一番安全だからな」


「そうなんですか?」


「今のエレベーターは、最上階に住む奴しか使用できない専用エレベーターだ」


「わぁっ!お師様って本当に金持ちなんですね!ひょっとして家が大富豪だったりしますか?」


こんなダンジョン世界に居る時点で、俺の家が大富豪な訳がない。

大富豪だったら、政治家や役人に賄賂払って徴兵拒否させて、俺を日本に住まわせるだろう。

この悪徳都市の諺に『犯罪者は貧乏人』『無実を勝ち取れるのは金持ちのみ』という金の大切さを訴えた内容があるように、貧乏人はこの都市では悪党であり、低賃金で重労働な仕事をさせられて虐げられている。

冒険者の道を選ばなかったら、当然、20歳になったら俺も徴兵されて酷い目にあっていたに違いないのだ。

実家が庶民の俺が金持ちなのは、元プラチナばっち冒険者で、魔法関連の特許で莫大な利益を得ていて腐るほど金がある。

だから、金はいくら消費しても良いから信頼できる相棒とか、安全な家を確保したいのである。

……無職のまま生活する事も可能なのだろうが、良い女と結婚を前提とした付き合いをしたいし、魔法を使って魔物を倒す事に楽しみを覚えているだけに、冒険者稼業は辞められない。


「これが俺の家だ」


通路を通って、自宅の玄関扉に到着した俺は、ギルドカードを扉の認証口に差し込んだ。

すぐに扉のロックが解除され、扉が自動的にプシューと炭酸飲料水のような音を立てて開く。

自動ロックだから、後で白真珠のギルドカードも登録しておく必要があるだろう。

玄関で日本人らしく靴を脱ぎ、俺はマイホームへ帰還した。

白真珠もボロボロのスポーツシューズを脱ぎ、部屋を覗き込んで――


「まぁ……大きいですね!ワンルームですか!

この開放感凄いですね!さすがはお師様の部屋です!」


「いや、この他に倉庫と寝室がある、トイレは左側にある扉がそうだ。

ゴミ出しはエレベーターの隣にある穴に放り込めば、ゴミ回収業者が分別して片付けてくれる。

ベッドは後で買いに行くとして……おい、何をしている?」


「え?テントですけど……?」 


広い部屋のど真ん中に、魔法の鞄から取り出した、白真珠の青いテントが鎮座していた。

根っからのアウドドア娘という訳である……うむむ、野外で活動する事が多い冒険者に向いているといえば向いているが、貧困って悲しいなぁ……。

長年、テントで暮らしてきたせいで、テントの中が白真珠の安らぎ空間と化しているようだ。


「……はぁ、白真珠は本当に今まで苦労してきたんだな……。

悪い奴に襲われたりしなかったか?野外で活動する時、車なしじゃ辛かっただろう?」


「大丈夫です!骨を折れば改心してくれます!

僕を漆黒の車に載せようとする悪い男たちとか居ましたけど、お腹を軽めに殴って顔をパカァーンとすれば改心して、運転手になってくれるんです!

車で逃げられても、短い距離なら僕の足の方が早いですし!」


「むしろ悪党の身が危ない!?」


「えへん!ロリに金棒です!」


「鬼に金棒だよ!というかロリの意味を理解しているのか!?」


「たぶん、小さいとか、可愛いとか、そういう意味だと思います!」


むむむっ……白真珠は確かに小さくて幼い娘だが、そうやって大きな胸を反らすと……凄く小山のような存在感がバリバリと雷の轟音のように発揮されていた。

白いセーラー服に隠されたダイナマイト・ロリボディ。大きな胸とロリという矛盾する要素が激しいギャップを発生させていて、俺の脳内に衝撃を与えてくる。

しかも、グゥーという可愛らしいお腹の悲鳴まで聞こえて、余計に微笑ましい女の子だ。


「あ……お腹空きました。今日の夕飯は何でしょう?」


「よし、俺の奢りだ、何でもたべろ」


俺はそう言って、大きな部屋に鎮座している巨大な冷蔵庫の扉を開放した。

魔法の鞄と違い、冷蔵庫は持ち運びができないが、ビールやジュースをキンキンに冷やして飲んだりできるメリットがあり、大量の食料を保存して庶民の食生活を豊かにしてくれる強い味方だ。

しかし、白真珠はとても不満そうに顔を可愛く歪めた。


「カップラーメンとビールだらけ!?なんて貧相で偏った食生活しているんですか?

まさか……お師様は金持ちなのに僕以下の食生活をやってたり?」


「馬鹿もん。これは全部、ダンジョン内の魔物や食の神から取れる高級食材しか使ってないカップラーメンだ。

一つ10万円もするんだぞ。それに栄養バランスも考えられていて、ありとあらゆる栄養素がラーメン一つで摂取でき――」


「お師様!」


白真珠の可愛い大きくて高い声が響いた。

可愛い女の子の声だから、どれほどキツい口調だろうと、男性を癒してしまうのである。

ギャンブルと同じで何度も聞いていたら……この声なしで生活できなくなるかもしれない……。


「な、なんだ……白真珠?」


「今日から料理は僕が作ります!

インスタント食品ばっかり食べると、ずぼらになりますよ!」


「りょ、料理ができるのか?」


「食費を浮かすために、苦労してきましたから料理は得意分野です!漬物を作って腐らせた事があります!

漬物は塩をたくさん使わないと腐るって知りませんでした!」


「説得力がない!?」


「失敗は妊娠中のママです!」


「成功の母を妊娠させちゃ駄目だろ!?」


「たくさん失敗するという事は、それだけ料理が上手いって事なんです!

発明王エジソンって人が、そんな事を言っていたと……風の噂で聞きました」


「そいつは人材を集めて運用するのが、上手い経営者だよ!?発明王どころか盗作王だ!」


「なるほどなるほど……お師様は頭がいいんですね!」


「その話を元に戻すが……冷蔵庫のあり合わせ食材で飯を作れるのか?

食材が足りなかったら、一万円ショップにもう一度行くが……」


「そこが工夫のし所です!

地球に居た頃の僕は、河川敷の野草を食べてました!

最近は、パン屋さんが出す、パンの耳が有料になって辛いですっ!」


おい、日本政府、もう少し財政を孤児院に回せ。

人類滅亡十歩手前とはいえ酷いぞ。

少子化もどんどん加速しているようだし、最終的にどんな方法で解決するつもりなのだろか?

あの政府の事だから……全ての問題を先送りにして破綻が来るまで延々と放置しそうで怖い……。


「それでは料理を始めましょう!

えと……冷蔵庫の中身が、卵と、鶏肉と……あれ?

あんまりない?あ、トマトケッチャップがある。やったー!」


楽しそうに白真珠が食材を両手に持ち、部屋の中に備え付けられたキッチンへと向かった。

その小さな後ろ姿を見ると思うのだ。白い神秘的なスカートがヒラッヒラッと動く様を見ると感じるのだ。

保護欲が掻き立てられる……可愛い娘だなって。


ーーー

出典:ロリことわざ辞典


「失敗は妊娠中のママです!」


※意味:良い娘は真似しちゃだめだよ!避妊は大事って意味だよ!


 (ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 実は最低な意味だったー!?


「ロリに金棒」


※意味:うわようじょつよい


 (ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 強いロリなんて、ただの希少種だろー!?


ーーー

 (ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 先生、僕もお嫁さんが欲しいです。


(´・ω・`)嫁が画面から出てこない!?なぜだ!


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 三次元で嫁を作れよ!

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