第3話 あたたかい冬の風



つめたい外気が まどガラスをくもらせる


くつ下のない足で、暖炉に火をつける


さむい冬 しずかで さむい冬


誰も やくそくをまもれる人間はなく、誰も目の前の愛を、いつかこわしてしまう


皆、まさかそれが、この世で一番大切なものとは思わないのだ


さむい冬。


こおった枯れ草、えんとつからのけむりと、つめたい雪のにおいが交わって、


風がそれをはこんでいく


遥か遠くの、木々を揺らす音と一緒に





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灰色の墓守り 十二月鼠 @12nezumi

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