第6話

 テレビ全四波で流れるNHKの緊急ニュースでは、福岡放送局のロボットカメラからの中継映像が断続的に流されていた。その画面でもはっきり、閃光が映る。

「今、画面に閃光が走ったように見えました。そして、飛翔体の一部が消え去ったように感じられますが」

 東京・渋谷の放送センターのニュースアナウンサーが画面に起こった出来事を口頭で伝えつつ、スタジオに呼んでいる軍事ジャーナリストに聞く。聞かれた当人は少し考えた後、

「地上側から打ち出されたように見えますねぇ。自衛隊にこんな兵器、ありましたっけねぇ?」

 その口調は、呑気であり、アナウンサーにもコメント出来そうなことしか言っていない。

「なるほど、地上からの攻撃なのですね」

 アナウンサーがそこからポイントを取り出して聞く。

「自衛隊はご存知の通り先制不攻撃という暗黙の了解がありますから、自衛隊の攻撃ではないかもしれませんねぇ。でも、こんな事態だから臨機応変に考えるかもしれませんねぇ」

 この解説者、使えない。アナウンサーはそう感じてはいたものの、情報を引き出そうとしていった。

 一方インターネットではとある中継映像が大きな話題となっていた。大手動画投稿サイト内のコミュニティ「ゆかりの地球侵略計画☆」の生放送である。その名の通りゆかりが行っているインターネット中継で、ナタデココビームやノートパソコンで攻撃を跳ね返すような映像が配信されたからである。画面を流れるコメントは『!?』が大多数。しかしその中で、あるユーザーが書き込む。

『説明しよう! あのノートパソコンは』『日本の変t、いや一大電機メーカーとりんごの会社がコラボした』『その名もマ○クブック・タフ!』『秘密裏に開発され、日本には一台しか入っていないと噂の』『最強のノートパソコンなのである!』

 そのコメントに対する反応は、『ビームの解説はよ』が多数だった。

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