第340話歎異抄 当時、専修念仏のひとと聖道門のひと、法輪をくはだてて

(原文)

当時、専修念仏のひとと聖道門のひと、法輪をくはだてて、「わが 宗こそすぐれたれ、ひとの宗はおとりなり」といふほどに、報敵も 出できたり、謗法もおこる。

これしかしながら、みずからわが法を 破謗するにあらずや。

(意訳)

最近は、専修念仏の人と、旧来の出家者が宗教問答を行って

「わが宗門こそ、優れている」

「他宗は劣っている」

と言い、互いに信仰上の敵となる、あるいは互いの仏教を誹謗中傷まで起こしてしまう。

これは、しかしながら、自ら信じる教えを破って、誹謗中傷しているのではないでしょうか。


仏の教えは、争いを引き起こすことを求めてはいない。


宗論は、どちらが負けても、釈迦の恥。

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