第12話・口は災いの元。




「魔女スタイルめっちゃいいね!」



沈黙を破ったのはイヌだった。



「…~っ死ね!」



イヌの発言によって我に戻り、拳を震わせ近くにあったドライヤーを、会長に目掛けて投げ、思い切りドアを閉めた。



バン!



「い"!」



外から鋭い音がした後、会長の痛そうな声が聞こえた。


どうやら私が投げたドライヤーが直撃したらしい。



「サイアク!」



頭を抱えてその場にしゃがみこんで唸る。


普通ノックしてからあけるでしょ!


馬鹿なの!?



※30分後。



お風呂場から出てソファーに、座っている5人の元にやって来て約30分。


さっきから同じ言葉しか発していない。


主に私と目の前に座ってる会長が。



「さっきから何度も謝ってるじゃないですか」



面倒くさそうに言葉を発する会長。



「はぁ?謝れば許されたら警察いらないわよ。馬鹿じゃないの?あ。バカなのか」



会長の言葉に対して、腕と脚を組んで鼻で笑ってみせた。


そんな私の態度に会長は相変わらずの無表情で淡々と言葉を返して来た。



「たかがバスタオル姿見られたくらいでそんなに起こりますか?」



「1回死ね」



満面な笑顔で言った。もちろん作り笑顔だけど。


人の裸を見て"たかがバスタオル姿"だって!!


少しは気にしろよ!私に魅力が無いって言いたいわけ?


どんだけ理想高いのよ!だから彼女出来ないのよ!


何処にキレてるのか分からない状態の私。



「さっきから同じこと繰り返してるね」



テーブルの上にあったお菓子をつまみながら呟くイヌ。


イヌの言う通りこのやり取りはかれこれ30分以上続いている。



「2人とも落ち着いて」



今にも身を乗り出しそうな私を必死で止めるリス。



「あんたには関係ない」



リスに見向きもせずに呟いた。



「ご、ごめんなさい!」



リスは慌てて謝り私の肩に置かれた手を退かした。


最初から謝るくらいなら止めなきゃいいのに。


バカみたい。


リスのお陰でキレるのも馬鹿らしくなり、ソファーから立ち上がろうと腰を浮かす。



「つか腹減らね?」



歩輝が私に向かって呟いた。


…作れてか。



「俺料理できるよ」



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