回転寿司・殺人ルーレット

流布島雷輝

デスゲーム


「諸君らにはゲームをやってもらう」


俺たちの前に突然現れた謎のゲームマスターはそう告げた。


「何を言ってやがる。今すぐ出しやがれ!殺すぞ!」


モヒカン頭の筋肉隆々の大男がGMに殴りかかろうとした。


「愚かな」

「なに……ぐぎゃっ、あ、頭が……あがっがあああぶべら」


モヒカンの頭が突如として膨れ上がり、中身をぶちまけながら、爆発四散した。

頭部を失ったモヒカンがそのまま力を失い倒れると周囲が血に染まり、鉄の匂いが充満しはじめた。


「きゃああああ」

「し、死んだ」


それを見ていた客たちが悲鳴を上げ、動揺を始める。


「私に逆らったものはこうなる」


パニックを起こしそうになる客を横目にGMは何事もなかったように淡々と話を進めていく。


「ゲームは簡単だ。この店にある寿司を食べるだけだ」

「なに、それだけでいいのか」


GMの言葉を聞いた眼鏡をかけた男が目の前にあった寿司を食べる。


「うまい。さあこれで外へ……ぶぎゃらあぎゃらしゅggg」


すると寿司を食べた眼鏡の頭が突然爆発し、断末魔の悲鳴をあげ死んだ。

さっきのモヒカンと同じだ。


「ひいいいい」

「また人が死んだ」

「は、話が違うじゃないか!出してくれるんだろう」


残った客が言った。


「言い忘れたが、不正解の寿司を食べたものは死ぬ」


やはり顔色を変えることもなく、GMが言った。


「名付けて回転寿司殺人ルーレットだ。さあ挑戦したまえ」


だが、誰も寿司に口をつけようとしない。

当然か。間違った選択をすれば死ぬのだから。


「言っておくが、外から助けに来てもらえることなど期待しないことだ」


全て殺したからなとGMが無慈悲に告げる。


俺は覚悟を決めて、一つの寿司を選んだ。

選んだ寿司を口まで運ぶとそのまま頬張る。

そして咀嚼し、飲み込んだ。


しばらく待ったが身体に変化はない。

どうやら、はずれではなかったようだ。


「ほお、正解を選んだようだな」


そしてGMが出したポータルにより転送され、俺は家に帰ることができた。

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回転寿司・殺人ルーレット 流布島雷輝 @luftleiter

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