No.10 鬼ごっこの舞台は巨大な屋敷になりました?
いきなりだが! 皆は鬼ごっこをしたことはあるだろうか。鬼と逃げる人に分かれて鬼にタッチされたら負けのあの超有名なゲーム。増え鬼や氷鬼などさまざまなプレイパターンがあり用意するものは何もいらないお手軽なこのゲーム。鬼から逃げるという単純な動作はいくつものメディア化に繋がり、近年ではリアル鬼ごっこや青鬼などといった映画、ゲームが人気を浸している。
しかしだ。
鬼ごっこは遊びだから面白いのであってもし現実でマジで捕まったら死ぬような鬼ごっこをする羽目になったらしゃれにならない。
ちなみにこれから話す俺の体験したギャングと鬼ごっこはちっとも楽しくなかった。
「なんとか逃げよう。俺から言えるのはその一言だ」
「なんとかって......。相手は銃刀法違反を屁とも思っていないやつらなのよ!?」
サヤ姉焦りすぎて口がうまく回ってない。
「ここにいた方が安全じゃないのか?」
「いいですか師匠。やつらはドアを余裕でぶち破ってきます」
「何、だと......」
師匠は驚愕といった感じでスマホを床に落とした。
「幸いにも、我が家はバカデカイ。上手うまくかいくぐれば逃げることができるはずだ」
「なるほど。ギャングと隠れ鬼ごっこか......。面白そうだねぇ」
平戸さんはキラリと目を輝かせた。危険な状況下になればなるほど興奮して楽しみだすこの人にはもう少し危機感を感じられるようになって欲しい。
そして今まで話してこなかったが俺、高天原神哉宅は実は超豪邸である。
イメージはマイクラで最近アップデートされたばっかりの森の館みたいな感じ。それが分からないって人はそうだなぁー。天下のグーグル大先生で『洋館 画像』とかで調べてみてくれ。
「しっかしよかったな。お前ん家デカくて」
「あぁ、親に感謝だ」
そう。この家は俺の親の形見でもある。
実は俺の両親は生前、代々資産家の家計で俺の高祖父が大成功し、そのままずっと金持ち。この家は俺の十歳の誕生日に祖父が俺に建ててくれた屋敷なのだ。
俺自身は資産家としてその財産を受け継ぐ気は全然無かったから普通に就職しようと思ってたんだけどね。まぁその辺詳しいことはまた話そう。
超長くなるしそんなに面白くないからな。
「おいやばいぞ! 門が破られた」
師匠が窓から少し顔を出して叫んだ。
「よし、固まって移動したら逆に危険だ。二人一組になろう」
「私、神哉くーん」
こんなときでも彼杵は俺に付いて来るようだ。即行で俺の腕をがっしり掴む。
「じゃあ、俺とサヤでいいな」
「異論なし」
「おっ、珍しいな。俺とは嫌がると思ったのに」
「いざとなったらあんたを盾にできるからね」
「......さいですか」
確かに身長百八十三のカズなら良い盾になりそうだ。
「それじゃ、僕はツバキちゃんと」
「うむ、そうなるな」
平戸さんはニコニコ笑顔で師匠の肩に手を回す。それを上手いこと交わして師匠が答える。平戸さんが師匠に手を出さないか心配だがまあ信頼しよう。
あ、イクミはどうなるんだろ。って思ったけど当たり前のように平戸さんにくっついている。そこだけ三人になるけどいっか。
「うし。皆絶対死ぬな......とは言わないが、なるべく怪我なく会おう」
俺は皆を見回して話をしめる。
するといまかいまかと待ちわびていた平戸さんが大きな声で、
「ハラハラドッキドキの鬼ごっこスタート!!」
次は犯罪者たちがギャングと命がけの鬼ごっこをするようです。
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