第22話 やってみた事…。

強迫性障害の時、私がやってみた事を紹介します。

私の一番、酷かった強迫観念。

それは、車に関係するものでした。

小さな揺れで人を轢いてしまったと間違って認識し…。

現場に何度も戻ったりしていました。


車に乗る際には、周囲を確認して、車体の下を確認。

人間が居るような気がして、何度も何度も確認。

やっと車に乗り込んで、エンジンをかけます。

出発する際、小さな揺れで人間をタイヤで踏みつぶしたと

思い、車の外に出て車体の下を確認します。

勿論、何も居ません。

居ないのが分かってるのに、そこから先へなかなか

進めません。

納得がいくまで確認して、再出発です。

少し進んでは、小さな揺れで人を轢いたと思いUターン。

現場に何度も戻ってしまう。

横断歩道を通過したら、人間をはねたと思い、ルームミラーで

倒れている人が居ないか確認。

目的地に到着したら、サイドブレーキを何度も確認。

車を降りたら、半ドアでない事を何度も確認。

周囲の車と余裕をもって駐車場に止めたのに、何故か接触して

いるような不快感に襲われました。

他にも色々な症状がありました。


こうなってしまうと、運転免許も本当に返した方が良いのでは

無いかと思います。

ちなみに、この当時、バスの運転手をしていました。

バスの運行中にUターンなんて出来ないので、突破するしか

ありませんでした。(汗)

路線バスで言うと、乗降扉に人間を挟んでしまったような気がして

バス停に停まるのが、非常に苦痛でした。


こんな感じで、車関係の強迫が酷かった私。


人形を作ったりして、自動車でわざと轢いてみましたが…。

あれですよね?

車が傷つくと修理代が高くつくから、材質には柔らかい物しか

選べず、タイヤで轢いても車体が揺れることなく、やんわり

つぶれました。

本当に、人形を作った体力が無駄でした。


そこで、今度は気になる道路を走り続けました。

気になる道路なので、何処で車が揺れるかも分かっています。

そして、そこを走って揺れるのは当たり前の事…。

ここに来ると揺れると分かっていても、揺れたら人間を轢いて

しまったと思い込む頭に、心底、うんざりしました。

揺れるポイントが分かっていても、頭は間違った認識。


強迫性障害、本当に恐ろしい子…。


それでも、嫌な道路を走り続けました。

走り続ける事で、これくらいのくぼみならこれくらいの揺れと

だんだんと認識が出来るようになり、症状が軽くなって

いきました。


時々、お店の駐車場内に速度を落とさせるために設置されている

ちょっとした段みたいなのが設置されている事がありますよね?

あれを、踏んだ時の車の衝撃を頭に入れておくと、その衝撃以下だと

人の厚さ以下だと認識できるので、気が楽になります。


当時の私は、道路に人間が立っているイメージでは無くて

道路に人が横たわっていて、それを轢くのが恐怖でした。

横たわっている人にも問題はあるでしょうが、結局は轢いた方が

悪いですからねぇ。


とにかく、一番酷い強迫に毎日、立ち向かっていました。


そうする事で、少しずつ症状も和らいでいきました。

一番、酷い強迫部分を和らげる事で、他の強迫観念も和らいで

いきました。


そして、今に至る訳ですが…。

100%完治では無く、今でも確認回数は最低3回です。(儀式行為)


調子の悪い時は、何度も確認してしまいます。

それでも、日常生活に支障があるとは感じないレベルです。


今では、車を運転して長距離も走れますし…。

免許を手放さなくて良かったと思っています。

田舎なので公共交通機関も不便ですし、何よりもともとは運転が

好きな人なので、やっぱり車が無い生活は耐えられません。

運転が趣味なくらいです。


強迫性障害は、完璧に治らなくても日常生活が送れるくらいまでは

改善が期待できます。

なので、諦めてはいけません☆

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