536神猫 ミーちゃん、鬼だ~。
霧が晴れると、まだ真っ赤なドームは健在。分身体も無事なようだ。
これで三つの検証が終わった。必殺技の防御力の検証。分身したほうのドラグラブラットの必殺技は使えるのか。ドラグラブラットの必殺攻撃技を防御技で防ぐことができるのかだ。そして検証結果は満足のいく結果に終わった。
分身を解除し倒れたオーク集団から血を抜く。血も溜まるし、オーク肉の血抜きのもなる。一石二鳥だ。
「あれ、血を吸ってますよ。姉さん」
「魔王ネロは吸血能力まで手に入れたか……」
「なあ、ネロ。そいつもAFか?」
「ええ、特別仕様のAFです」
「そ、そうか……」
ルーさん、遠い目をしている。というか、現実逃避?
「ペロも欲しいにゃ!」
「にゃ!」
ペロには分身のAFを使わしてるでしょう。これは指輪だからセラには無理かなぁ。代わりに加速のAFを首に付くようにスカーフで巻いてあげよう。
「にゃ!」
「セラにゃん。いいにゃ~」
「僕も欲しいです!」
「私も欲しい!」
どうしようか? さすがに不公平すぎるかな?
「み~」
ミーちゃんのお許しも出たので、宗方弟に幻影、宗方姉に転移、ルーさんに力三割増しを渡す。
「これは簡易のAFだからね。数回使うと使えなくなるから過信は禁物だよ」
「「はい!」」
「お、おう」
次の広場に移りオーク狩りを再開したが、あっさりと終了。だが……、
「ネロさん、使えなくなりました!」
「私も~!」
「ペロもにゃ」
「にゃ」
「オーク相手に力負けしなかった。AFってすげぇな」
「みぃ……」
こ、こいつらは、人の話をちゃんと聞いていたのか! 誰がすぐに使いきれと言った? 強制回収だ!
「「えぇー」」
「なんでにゃ~」
「にゃ~」
無視だ。それにこのAFを使うと宗方姉弟の訓練にならない。没収だ、没収。
それとAFを固定できるベルトでも注文しよう。激しい動きで飛んでいき、紛失しそうで危なかっしい。
「次からは宗方姉弟だけで戦闘な」
「「えっ!?」」
「オーク五体はこいつらにはきついんじゃねか?」
「大丈夫です。完全武装したオークも前に倒しています。それに、あの程度のオークなら俺一人でも倒せます。そろそろ、二人にも本気になってもらいましょう」
「「……」」
「
「ああ、
「にゃ」
「み~」
なんとでも言え!
「それから、喉狙いとオートソード禁止な」
「「
落ち着いて戦えば二人なら問題なく戦えるはず。なのだが、この二人本番に弱いうえ、どこか抜けてるところがある。そこが不安要素だ。
二人の動きは悪くない。悪くないが少し緊張気味。相手のオークの武器はこん棒や錆びた剣など、さっきのオークと違いスキルも持っていない。注意するのは馬鹿力だけ。
「トシ! 足を狙え、動きを封じろ!」
「カオリンは武器を持った腕を狙うにゃ!」
「にゃ!」
「み~」
宗方姉弟は一対一なら絶対負けないオークなのに、二対五になった途端、緊張のせいか攻撃が駄目駄目になる。
これは複数相手の場数を踏ませるしかない。二人に全体を攻撃する技がないのもある。
宗方弟は近くに火があれば炎スキルが使えるが、なければ使えない。
二人共、雷スキルはまだ上手く扱えていない。ここで使うと間違いなくフレンドリーファイアだ。
宗方姉の流れ迷宮でやった百花繚乱による相手を拘束する技は、攻撃力を上げるため矢を完全金属製に変えたせいで使えない。使えねぇな!
それでも、試行錯誤しながら戦っているのはわかる。
宗方弟は槍に雷を流して戦っている。残念ながら想像した結果にはなっていないようだ。ラノベや漫画だと攻撃された相手が痺れるというような効果が表れるが、実際には槍がオークに触れた瞬間、静電気のようにバチッと火花放電が起きる。
痛そうではあるが、正直たいしたダメージにはなっていない。どちらかといえば精神的ダメージを与えているようで、オークが宗方弟の槍に触れるのを嫌がったいる。
俺なら刺した後に、槍を通して雷スキルを相手に流すけどな。
宗方姉も宗方弟の攻撃を見て、矢に雷を帯電させようとしているが上手くいっていない。矢が飛んでいる間に放電してしまうからだ。
ただ、悪いばかりではなく一瞬の出来事だが、火花放電した瞬間矢の軌道が変わったのがみえた。放電で矢が誘導された感じだろうか?
追尾型の矢なんて夢があるが、どうすればいいのかが思いつかないけど。
それに、どうしても雷スキルを使いたいなら、熟練度を上げて思いどおりに動かせるようにしたほうが威力が出ると思う。
今の状態だと、普通に矢を射ったほうがいいんじゃね? って感じかな。
「み~」
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