252神猫 ミーちゃん、ポンコツ神様のお姉さんに神託をもらう。
思ったが吉日。さっそく教会に行ってみる。ルーくんとラルくんもお散歩とばかりに嬉しそうについてくる。ルーくんとラルくんがうちの敷地から出ると、お子ちゃま達が寄ってきてさあ大変。なんとか、お子ちゃま達にお菓子を配って見逃してもらう。お子ちゃま達の中にはスラムの子達もチラホラ混じっている。この子達の為にも早くなんとかしないとね。
「み~」
教会は街の中心部の中央広場の前にデーンと構えていた。いや、知ってたよ、いつも見てるからね。でも、中に入る気は全くなかった。意を決して日中は常時開いてる教会の扉をくぐる。ルーくんとラルくんも中に入って来たけど大丈夫かな?
教会の中は厳格でいながら清浄感を漂わせているのに、どこか安心感にも包まれる雰囲気。中には幾人かの人がいる。どこでお祈りをすれば良いのかとキョロキョロしていると
「教会は初めてですか?」
白いローブに身を包んだ女性が話掛けてきた。ここの神官なのだろう。
「はい。初めてです。自分が育った場所にはありませんでしたから。この子達も中に入れて良かったですか?」
「ええ、神は如何なる生き物にも分け隔てる事なく慈悲をくださりますので」
「それは魔王であってもですか?」
「はい。魔王であってもです。かの者もこの現世に生まれ苦しんでいるのです。その苦しみも神のご慈悲により救われるのです」
凄い博愛精神だね。
「み~」
女性の神官にお祈りをしたいのでどこですれば良いか聞くと、個室があると言って案内してくれた。案内された部屋は畳二畳分位の部屋で、小さな祭壇に神様の像が飾られてあるけど顔は作られていないのっぺらぼう。偶像崇拝禁止みたいなのがあるのかな?
ミーちゃん、ルーくん、ラルくんも厳かにお祈りをする……してると思う。俺もお祈りと言うか現状のご報告と、ミーちゃんが地球の神様の所に帰れるか? って事と彩音さんが神様の元に行けたのかを心の中で問いかけてみた。
すると、ミーちゃんバッグの中に収納されていたはずのハウツーブックが、光に包まれ宙に浮かんでいる。これは、あれかな? 神託ってやつなのかな? ハウツーブックの後ろに何か書かれるのかもしれない。ミーちゃん達もびっくりした顔で宙に浮いているハウツーブックを見ている。しばらくすると、光が収まりハウツーブックが落下した。
ハウツーブックを手に取り中を確認すると最後の方に書かれていたポンコツ神様の愚痴が一切合切消えていて、フローラ神が書いたと思われる愚痴がつらつら書かれていた……間違いなく姉妹だね。
書いてある内容は、もともと地球の神は自分で途中から創造神である父からの命令で妹に譲ったらしい。せっかく育てた地球を妹に取られて面白くないとも書かれている。理由は今の地球は娯楽にあふれているのに対してこちらの世界には娯楽が少ないと嘆いているようだよ。神様って結構フリーダム?
そして、案の定最後のページに虫眼鏡で見ないと読めないような小さい文字で大事な事が書かれていた。ポンコツ神様の姉はやっぱりポンコツ神様だったね。
「みぃ……」
ミーちゃん、お恥ずかしい限りですって、前脚で顔を隠してしまったよ。か、可愛いです!
それはさておき、書かれていた内容は孤児院に関しては良い事なので教会に手伝わさせる事、その際にこの教会に居る次席神官長に話をするように書いてある。今の神官長は既に信仰心が無いらしく、近々神罰が降るそうだ……怖いわぁー。次席神官長には個人的に神託を出すそうだ。
彩音さんに関しては、神の眷属として向かい入れようとしたそうだけど彩音さん自身が断ったそうで、この世界で輪廻を繰り返す事を望んだそうだ。来世は少し恵まれた環境の所に生をうけるように細工するとも書かれている。神様よろしくね。彩音さんが辛く苦しい思いをした事が来世には無い事を祈るよ。
そして、最後にミーちゃんの事が書かれていた。
「み~?」
結論、地球のポンコツ神様の元に戻るのは現状難しいとの事。例え神であっても別の世界に行く事は創造神の許可が必要で簡単には許可がおりない。もちろん、スキルによって道を開く事は大罪となる。
それでは神界に行く事はできないのか? 行けない事はないらしく、いくつかの方法があるらしい。この世界のどこかに神界へ繋がる場所があるそうだ。もう一つがミーちゃん自身の力で神界に行く事。ミーちゃんは神猫なので修行をすればそう言う力を使えるようになるそうです。
しかし、ここで一つの問題がある。この世界の神界自体が地球の神界とは別の世界であるという事。つまり、この世界の神界に行けたとしても向こうの世界の神界には行けないと言う事になる。向こうの神界に行くには、結局創造神の許可がないと駄目らしいね。
でも、一番最後の行に
と言う事で、先ずはこの世界の神界に行く必要があるって事だね。創造神様がモフラーならミーちゃんを見ればイチコロだと思うから、意外と簡単に落とせると思う。間違いないね。それにモフラーなら仲良くなれそうな気もするしね。
「み~♪」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます