236神猫 ミーちゃん、規律を正します。
フォルテの街に着き、街の役所に向かう。役所は三階建のレンガ造りで立派な建物だ。建物の中に入り、受付に向かい手形を見せてこの役所の最高責任者を呼んでもらう。
「しょ、少々お待ちくださいませ!」
受付の女性が奥に走って行く。その間に役所の中を見回す。薄暗く、机などの備品は年季を感じさせる古さ、中の間取りも機能的ではない。うーん。これは改善が必要のようだね。
「み~」
さっきの受付の女性と五十代後半くらいに見える男性が大量の汗を拭きつつやって来た。
「ブロッケン男爵様。お待ちしておりました。役所の長を任せられているオーラフと申します。部屋を用意致しましたので、どうぞこちらへ」
オーラフさんの後に続き歩いて行く。建物事態はそれほど古くはないようだ。そして、案内された部屋に入ってビックリ、金ぴかゴージャス所謂成金趣味全開の部屋……。
「はぁ……役所の中を見て回りましょうか。すみませんが何人か人を呼んで来て頂けますか?」
「みぃ……」
「いや、あのう……何の為にでしょうかぁ……」
オーラフさんの目が泳いでいる。こんな部屋に案内して喜ぶと思っていたのだろうか? 埒があかないので女性職員の方に頼んで呼びに行かせた。女性は二人の男性職員を連れて来たので、探索開始。
先ずは、オーラフさんの部屋から行ってみようか。女性職員に案内させてオーラフさんの部屋に行くと、オーラフさんが部屋の扉の前に立ち塞がり俺を中に入れまいとする。
「ここは私の部屋だ。何の権限があって中に入るつもりだ!」
「はぁ……俺、ここの領主なんですけどねぇ。ちょっとこの人、取り押さえて」
「み~」
「お、お前らやめろ! 私に歯向かえばどうなるかわかっているんだろうな!」
男性職員二人に取り押さえられ、喚き散らしている。さあ、ご開帳でーす。
中は思った通り豪華絢爛、ざっと見ただけで相当な金額が注ぎ込まれたとわかる品物が所狭しと飾られている。どこで仕事してるんだ? どうやら、もう一つ続きの部屋があるようだ。開けてみるしかないよね?
「み~」
「や、やめろ! そこは開けるな!」
部屋の扉を開けて中を見ると、半裸の女性二人がお酒らしき物を飲んでる光景が目に入る……なにこれ?
「オーラフ~。何してるの~ま~だ~」
「あー、悪いけど人呼んで来てくれるかな? 今度は女性でお願いします」
「は、はい」
女性職員がまた走って人を呼びに行く。
「オーラフ。お前馬鹿だろう。こいつ、このロープで縛って」
「み~」
「き、貴様! 私に何かすれば闇ギルドが黙ってはいないぞ!」
「闇ギルドと繋がりがあると?」
「今さら謝っても遅いぞ!」
「いやいや、謝るつもりはこれっぽっちもないからね。でも、丁度良かった闇ギルドと繋がってる奴、欲しかったんだよね」
「ほ、ほう。私を見逃せば紹介してやらんでもないぞ」
「勘違いしないでくださいね。闇ギルドは排除対象で徹底的に潰す予定ですので」
「み~」
「なっ……」
「この男をどこかに閉じ込めて置いてください。絶対に逃がしては駄目ですよ。逃がした場合はこの役所の職員全てを闇ギルドの関係者とみなします。良いですね?」
「「は、はい!」」
女性職員が応援を呼んで来たので中にいた女性二人も別室に閉じ込めてもらう。残った女性職員にあなたはオーラフの関係者か問い詰めると、首をフルフルと振って顔を青くしている。オーラフの悪事は知っていたけど見ぬふりをしていたと言うところかな。女性職員にあなたから見て信頼できる職員と信頼できる警備隊の者を呼んで来るようにお願いした。
どこまで信頼できるかは定かではないけど、多少はまともな人を連れて来る事を期待しよう。
待っていると三十代前後の男性職員が青い顔でやって来た。
「ここの役付きの者に信頼できる者はいません」
「あなたは?」
「テオと言います」
「役付きの者は何人いますか?」
「副長に、主任が三人です」
「信頼できないと言う根拠は?」
「横領に賄賂、職権乱用、様々です」
「証明できますか?」
「できますが……守って頂けるのですか?」
どうやら、オーラフが言っていた闇ギルドとの繋がりは嘘じゃないようだ。失敗したな、みんなを連れて来るんだったよ。
「警備隊の方はどうですか?」
「似たようなものです……」
これは酷いね。本当に困った……。
「みぃ……」
女性職員が警備隊の者を二人連れて来た。どうやら、テオさんの知り合いらしい。こうなると、もう引くに引けなくなってきた。取り敢えず、役所の残りの悪玉四人を捕らえてもらう。その間に、俺はハンターギルドに行って来よう。
ハンターギルドはそれほど遠くない場所にある。スミレに乗って早足程度で走らせるとすぐに着いた。中に入り、ハンターギルド証とブロッケン男爵の手形を見せてギルド長に面会を申し込む。すぐにギルド長室に案内される。
「なんだい。新しいご領主様がわざわざご挨拶に来るなんてねぇ」
ご年配の女性のギルド長でした。なかなかふてぶてしい、女傑って感じのお婆さんだね。さてさて、鬼が出るか蛇が出るか。
「み~」
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