ただのパソコンオタクが4年制の専門学校を5年で卒業してソフトウェアエンジニアになった話
たくじ
第0話 卒業できない?
今から12年ほど前、大阪ミナミのハズレ、電器屋街に近い住宅街にパソコンオタクの男子高校生が住んでいた。
朝から学校に行くフリをして近所のネットカフェに行く。
滞在時間は3時間、3時間なら親から渡されている食費でなんとか支払える金額。
その後は特にやることもなく、通学に使う路線に乗って、夕方他の学生が帰ってくる前に最寄り駅である日本橋駅に帰ってくる。
もうそんな生活を半年は続けている。
きっかけはオンラインゲームのやり過ぎで父親にパソコンを没収されたことだった。その時の父親は「文句があるなら言い負かしてみろ」みたいなことを最後に言っていた。彼は一度も口論で父親に勝てたことがない。その上自分の身体の一部とも言えるパソコンを取り上げられた。
その次の日から男は高校に行かなくなった。元々学校で教わる勉強に興味はなかった、その時自分の興味にあったのは大半がオンラインゲームとほんの少しプログラミング言語、稀に鉄道といった要素だった。学校に行って寝るくらいならその時間にネットカフェでゲームして、余った時間は好きな電車に乗りながら寝ようと思ったのである。
そんなことを半年以上続けて冬頃、遂に父親が折れてパソコンは男の元に戻ってきた、学校に行くことを条件に。男が通う高校は3年の3学期は授業がなく実質2学期で終了、その後は成績が悪くー具体的には5段階評価の1が1つでもあった場合ーこのままだと卒業出来ない者が救済措置のための課題を消化する期間だった。
2学期が終わり男の元に渡された通知表、結果は国語以外1だった。理系クラスで下から2番目、ブービー賞だった。
通知表を受け取った後に渡された大型の封筒がちょっと薄めの辞書くらいの厚さになっている課題の山を見て男は、「やばい、卒業できない」と思った。
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