第44話「第二章」その30
「事案終了、か」
成瀬達は愛知県警察本部に戻り知事の会見をテレビ中継で観ていた。県警に戻ったのは機動隊の指揮権を災害対策課に移すためである。現に比較的消耗が小さい中部管区機動隊は既に大阪指揮から移管され、地震災害対応に向かっていた。なお大阪府警の指揮団は拠点を港区役所に移し(港警察署は津波で浸水したため)、SATと大阪府警機動隊のみを管轄下に置いて万が一に備えている。
「この後の費用のことを考えると、気が滅入りますけどね」
「まあそれは上の仕事だ。皮肉ぐらいは言われるかもしれないがな」
無論、今回の対応で消耗した備品は買い足されることになる。県も国も財政状況が厳しい中、予算の割り当てを確保するのは簡単なことではない。加えて自衛隊の出動費もある。
「成瀬課長代理、県警本部長から出頭要請が」
「まあ、仕方がないな」
色々と無茶をしているので何らかの処分は仕方がないと成瀬は割り切っている。あくまでも官僚組織というのは、一定のルールに従って動くことが要求されるのだ。
「あ、スペースを貸してくれた店長に礼を伝えておいてくれ」
「了解ー、しましたー」
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