第45話「第二章」その31
「陸上自衛隊第三十五普通科連隊、治安出動業務を終了し災害派遣に向かわせますがよろしいですね?」
「承知した」
名古屋市守山区・陸上自衛隊守山駐屯地内東海統合運用本部。巨大ウナギ対応の主力が海上自衛隊に移ったため、陸上自衛隊の部隊は順次地震災害対応へと当てられる。
「施設科は防御線の撤去を継続中。衛生科は三河方面へ展開する予定」
「被災者への炊き出しも急げ。御前崎原発の状況は?」
「外部電源途絶なし、非常用電源も正常に動いていると中日本電力より報告を受けています」
地震・津波による危険性が度々指摘されていた原子力発電所だが、だからこそ備えは万全だった。地震の揺れによる損傷はなし、津波も海岸に作られた防波堤に達せず。海水取水設備の一部が浸水したもののすぐに復旧したため原子炉冷却は問題なく進んでいる。
「師団外部隊はどうなっている?」
「関東・関西方面は既に到着し静岡や三重で活動中。関西の一部は和歌山に。中国・四国方面は南海(地震)の対応に当たっています」
日本の大動脈の一つ・東名高速道路や国道一号線は大きく損傷を受けているが(特に駿河湾と山に挟まれた由比付近)、新東名高速道路はほぼ無傷。支援する側にとってそれは非常に大きい。
関係各所が本格的に地震・津波災害に対応する体制が、やっと整ったのだ。
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