7日目 夜 賭針との対話
「それで、お話とは?」
「君の気持ちを聞きたい。君は八津芽のことが好きなのか?」
「唐突ですね」
そんな事聞くなんて。
「気付いていると思うが八津芽はお前の事をただの『文学仲間』ではなく、それ以上に大切な男だと思っている」
「裸見られてもいい、って言っていましたからね」
さすがに驚いた。まさか湊都があんな事言い出すなんて。
俺の事を男として意識していないんじゃないかと一瞬思ったが、さすがにそうじゃないみたいだ。湊都は俺の事を……。
「僕は幼い頃から八津芽を妹のように可愛がっていた。恋心のような気持ちは持っていないが結婚したら家族として愛することはできる。君はどうなんだ?」
「……」
「もし君が愛していなければ八津芽を説得してくれないか? この結婚には梔子家と湊都家の存続にも関わってくるんだ。もし協力してくれたら……」
「そんなに欲しいのですか?」
俺は直接聞く事にした。
聞いた後にどうなろうともかまわない。
「そうだな。八津芽はクラスの女子より美人だし、頭もいい。妻にできるならしたいな」
「いえ、そうではなくてですね」
「? どういうことだい?」
「湊都を妻としてではなく『死体』として欲しいんでしょ」
「!?」
かなり驚いている。これは……。
「……どこで知った?」
かなり声色が変わったな。どうやら犯人はコイツで正解だったみたいだ。
「湊都が見つけたんですよ。貴方の解剖ノートを」
「見なくてもいいものを。それで君に助けを求めたって事?」
「そうです」
俺も正直に話した。
さて、どう来る?
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