3日目 夕方 作戦

 湊都の言葉を聞いて俺は確信した。


 やっぱり湊賭を殺害したのは梔子賭針だ。奴は解剖する為に湊都の遺体を盗んだんだ!


「お願い夜想! 私を助けて!」


「ああ! もちろんだ!」


 もう死なせはさせない。


「私のお願い聞いてくれるの?」


「聞いてやる! せっかく文学仲間ができたからな」


「そうね。私もアンタと一緒にいると楽しいもの」


 俺の言葉を聞いて安心したのか、さっきまで怯えていた湊都は笑っていた。


 そういえば湊都が笑っているの見たのも仲良くなってからだ。それまで笑っているところなんか見たことがない。


「よし、こうしよう。今日から俺は毎日お前の所に通う」


「私を守ってくれるのね」


「ああ。その為に頼みたいことがある」


「?」


 これはタイムリープしてから考えていた事だが言うのには少しためらいがある。しかしこれしか思いつかなかった。


 言おうかどうか迷ったが助ける方法が他に思いつかないので言うことにした。


「4日後の夜、お前の家に泊らせてくれ!」


「え!?」


 当然だが湊都はかなり驚いた。こんな姿も初めて見たな。


 納得してもらえるように俺は頭を下げた。


「頼む! 泊らせてくれ!」


 そうしないとお前を助ける事ができないんだ!


「そんなに頼むなんて……でもパパやお爺ちゃんが何て言うか」


 そこなんだよな。湊都が男子、または俺が女子だったら断らないと思うが。


「……だったら私が夜想の家に泊ろうか?」


「え?」


 湊都が家に?


「パパとお爺ちゃんには何とか言っておくからさ。それにアンタの家にも行きたかったし」


「いいのか?」


「いいよ」


 まさか湊都が家に泊りにくるなんて。いや、これで良かったのかもしれない。


 湊都はこの屋敷で殺された。だったら7日目の夜にいた場所を変えれば殺されずに済むかもしれない!


「よし、4日後の夕方に学校が終わったら俺の家に来い」


「ちょうど次の日は開校記念日で休みだし夜通し文学談議ができるわね」


「そうだな」


 安心しろ湊都。


 その日の夜はお前の命日にはさせないよう俺が守ってやるからな!

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