第2話闘いの宴

あれから一ヶ月後、京都府舞鶴市、とあるところ。

人1「最近つかへんな」

人2「なんの事や?」

人1「せやからキチガイおらんやん」

人2「基地ん中収まっとるや無いんか?」

人1「ま、おらんわな」

奏太が剣の力を振るう。

人1「あれ?今何の話ししてたんやっけ?」

人2「わからん…、キチガイがどうとか?」

人1「へ…?」

人2「大丈夫か?」

人々は酔いはじまった。

奏太「これで5人かぁ」

yucca(油断しないでナイトメアはまだ序章だよ)

奏太「わかってる、それにしてもミスチーフってどんな奴らなんだろう」

yucca(会えばわかるよ)

「なぁyucca、ミスチーフって何なの?」

yucca(強いて言えば、私と対の存在)

奏太「ふ~ん、じゃあやっぱり人間の姿はしてるのか、強いの?」

yucca(少なくとも私よりかは)

奏太「マジかよ…」

yucca(ふふっ、そんなに不安に思わなくても大丈夫だよ貴方が強いから)

奏太「そうなのか?」

yucca(そうだ!まだこの世界の事、教えてなかったね)

奏太「この世界の事?」

yucca(そう、この世界は4つの世界が一つになって存在してるの、天界、人間界、地獄、そして幻夢界)

奏太「げんむかい?天界と地獄はなんとなくわかる、でもそのげんむかいっ言うのは?」

yucca(ふぅ、貴方も疲れたでしょ?一回同化を解くね)

yuccaが姿を表す。

yucca「う~ん、やっぱり実体一番気持ちいい!」

奏太「で、そのげんむかいって?」

yucca「まぁ、私が生まれた世界なんだけどね、幻夢界、ヒトは皆夢を見るよね、空想だったり、寝ている時に見るものだったり」

奏太「なるほど」

yucca「でも何千年に一度、そんなヒト達の夢を食べる存在が生まれる、それがミスチーフ…」

奏太「ふ~ん」

yucca「ミスチーフに夢を食べられたヒト達はナイトメアに侵されて混乱しちゃう」

奏太「それでオレの出番ってわけだ」

yucca「まぁ、簡単に言うとね」

奏太は物思いに耽る。

奏太「仕事、やめても良かったのかな…。」

yucca「また、その話し?」

奏太「だって、yuccaのチカラで食べなくても生きていけるのはいいけど、金が…」

yucca「貯金、かなりあるくせに」

そう、奏太はこの戦いのために、仕事を退職していた。住んでいたアパートも引き払い、荷物も最小限に止め、東京から京都に来ていた。

確かに貯金はある、食べ物にも困らない、でも、不安だった、いままでこんな生活想像もしていなかったから、尤もな話だ、現実世界でゲームのRPGをするようなものなのだから。

yucca「今日の予定は?」

奏太「公園で野宿」

yucca「また?!今何月だと思ってんの?!」

奏太「え?2月」

yucca「真冬だよ?!そろそろ宿探そうよぅ!」

奏太「いいじゃん、節約だよ、yuccaが同化すれば全ステータス通常の13倍だし、ちょっと酔うけど」

yucca「またテキトーな事言って!私だって疲れるんだよ?それに、13倍なんて言った覚えはないよ!それに…」

奏太「なに?」

yucca「なんでもない!もぅいいよ…」

奏太が徐に切り出す。

奏太「なぁyuccaの姿本当に他の人にはみえないのか?」

yucca「え?なんで?見せることもできるけど」

奏太「じゃあ見えるようにしてよ、なんか、独り言みたいでさ、そしたら、どこかホテルでも旅館でも探してもいいよ」

yucca「ホント?やったあー!!」

yuccaは嬉しそうに実体に実体を重ねた。

奏太「考えてみたらその格好は目立つな、服を買いに行こう」

yucca「服、買ってくれるの?」

奏太「あぁ、それじゃ目立つからな」

yucca「あ、ありがとう…」

yuccaは本当に嬉しそうだった。

yucca「プレゼントされるの始めて…」

奏太「そ、そこまで喜ばれてもなぁ…」

二人は洋服の店に向かった。

奏太「うん、これでどっからどう見てもただの小学生だ」

少し恥ずかしそうにyuccaが聞く

yucca「あの…似合う…?」

奏太「うん、似合う、あの神秘的な服も似合ってるけどね」

yuccaが微笑む。

奏太さてと、宿でも探しに行くか。

そう言ってyucca顔を見る、しかし、yucca様子がおかしい。険しい顔をしたまま、奏太を見つめる。

奏太「どうした?」

yucca「近くにいる…」

奏太「何が?」

yucca「ミスチーフが」

奏太「!…ついにか…」

yucca「行こう!」

yuccaは瞬時に服を変え奏太と同化する。そして奏太は屋根から屋根へ跳び移りミスチーフのいるところへ向かう。

奏太「あれから一ヶ月、始めての本戦か」

奏太は高ぶる気持ちを押さえながら現場に向かう。

yucca(この辺りだよ、気をつけて)

「始まりの人間か、ようやく会えたね」

ビルの屋上、声のする方へ振り向くと、男がたっていた。

奏太「お前がミスチーフか?」

男「その呼び方はやめてほしいな、オレはreadよろしく、キミの名前は?」

奏太「奏太だ」

read「奏太、いい名前だ」

奏太「舐めてんのか」

read「そんな事はないよちょっと話しがしたくてね」

奏太「オレは話す気なんてもうとうない!」

奏太は剣で攻撃するが、ても触れずに見えないチカラで弾き飛ばされる。

奏太&yucca(AAスピリッツ解放)

read「へぇ!」

奏太は眼にも止まらないスピードで、攻撃を仕掛ける、相手も応戦する。

read「どうやら、話すきっかけすら掴めないようだ、一度退かせてもらうよ」

そう言い残すと霧のようになり消えていった。

yucca(大丈夫?)

奏太はかなり震えている

奏太「手も足も出なかった…全力で行ったのに、勝てっこない…」

yucca(奏太…)

うずくまる奏太。

奏太「どうすれば…」

yuccaが姿を表し、奏太に寄り添い、宥める。

yucca「大丈夫?」

奏太「わからん…」

yucca「奏太は気付いた?ミスチーフは貴方に話をしたがっていた」

奏太「それがどうした?」

yucca「付け入る隙があるかもしれない」

奏太「どう言うこと?」

yucca「話してみるんだよ、話をしに」

奏太「本気か?」

yucca「とりあえず今日は宿で休もう、疲れた」

奏太「話す…」

こうして、明日ミスチーフと話してみることを前提に、今日は休むことにした。


翌朝、宿を発つ二人。

奏太「ミスチーフの居場所は解るのか?」

yucca「近くには居ないな」

奏太「じゃあ今日の予定は?」

yucca「私と一対一の勝負」

奏太「yuccaと勝負?勝てっこねぇじゃん」

yucca「貴方は、戦闘技術をもっとあげた方がいい思って、剣のチカラもなしに」

奏太「無理無理!オレが死んじゃう!」

yucca「大丈夫、型から基礎を教えてあげる、前みたいにミスチーフ相手にあんな闇雲じゃあ返り討ちだから」

奏太「戦闘技術ってカンフーか何かか?」

yucca「そゆこと!あぁでも、姿がたが見える状態だから、私も人間と変わり無いからね」

奏太「なんだ、じゃあ余裕だね」

yucca「なめない方がいいよ♪私、奏太より数倍強い自信ある」

奏太「見た目小学生で人間とかわりないなら、大人のオレの方が強いに決まってるじゃん♪型だけでいいよ」

yucca「実戦か貴方には大事なの!ほら、言うこと聞く!」

奏太「はいはい」

奏太は10時間かけて型を覚えた、辺りはもう真っ暗だ。

yucca「集中力あるね、感心、普通なら一年はかかるよ」

奏太「yuccaの同化訓練もあったし、なんとかね、すげーだろ」

yucca「そうだね、実戦訓練はどうする?今日は休む?」

奏太「いや、まだいけるぞ」

yucca「後で泣きっ面書くなよ♪」

奏太「よし勝負だ!」

バチッドカッ。

奏太は一瞬にしてKO負けだった。

yucca「奏太!大丈夫?!」

奏太「痛い…」

yucca「だから言ったのに…、さあ!もう一度」

こうして夜は更け奏太達の一日は終わり、明日と言う新しい一日が始まるのだった。


あれから数ヵ月、5月の下旬に差し掛かろうとしていた、奏太も随分たくましくなり、一人で剣のチカラを操れるようになった。

奏太「なぁyucca、そろそろミスチーフ、倒せるんじゃないか?」

yucca「まだ無理だよ、相手のチカラは物凄い、」

奏太「3ヶ月前、ミスチーフと話すとか言っていたけど、どういう意味だったの?」

yucca「アイツは、全く戦う気がなかったからちょっとおかしいなって思って」

奏太「隙をつくんじゃなかったの?!」

yucca「…」

奏太「何か言えよ」

yucca「あぁ、ごめんなさい」

奏太「どうかしたの?」

yucca「ううん、何でもない」

奏太は不思議に思った、何故ならyucca、こんな反応をするのは初めてだったから。

奏太「まぁ、いいや、これからどうする?どうしたい?」

yucca「う~ん…どしよっか…」

奏太「当てもなしか…ナイトメアに侵された人たちも最近見ないし」

yucca「たしかにそうだね」

奏太「何かの罠だったりして」

yucca「わからない…、ミスチーフ、探してみない?」

奏太「え?」

yucca「戦うんじゃなくて、話を聞きに」

奏太「そうなの?」

yucca「うん、気は進まないけど…」

奏太「わかった、じゃあ探しに行こう」

yucca「うん」

yuccaは奏太と同化し、感覚を頼りにミスチーフを探し始めた。これが、罠だとも知らずに…。

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