幸福万来(side:Jason)


ラヴァースプリングスカントリークラブで今日と今日とて朝から仕事。


僕の持ち場はウェイターだけど、たまにゴルフのキャディだったり他の仕事もやったりする。


でもやっぱ基本はウェイターだから、接客したり、メニューや料理なんかを運んだりするのが主な仕事。


お客様が満員だとか、そういう場合によっては何時間もあちこちを動き回るからかなり疲れる。


バスケで鍛えてきた腕や足がダルくなるぐらいには、ね。


やっとこ休憩に入り、皆座り込む。


「ふー、毎日の事ながら腕がダルくなってきたわ…」


卒業してから同じ場所に就職して働く友達、マーサ。


元気で明るくて優しく、ふくよかな体型ながら、びっくりする程のダンススキルの持ち主。


「こっちは熱くて汗だくだぜ、マジで…」


料理人のビル(ウィリアムのあだ名)が汗を拭いながらぼやいていた。


「あのさ、ジェイソン」


2人のやり取りを眺めていたら、不意に後ろから声をかけられた。


振り返ると、リー(女性)が満面の笑みを浮かべていた。


僕がリーの笑顔に若干ビビり気味なのは秘密。


「今日さ、ジェイソンなんか鼻歌歌ってたり凄い楽しそうに見えるんだけど、なんかあった?」


リーが凄くニヤニヤしながら尋ねてくる。


「楽しそう?僕が?…あー、今度の23日にケルシーに久しぶりに会えるから嬉しいのかも知れない」


僕がそう返すと、リーは凄くからかって来た。


そんなリーにつられるように周りの皆まで僕をからかって来始めて。


そんな皆から逃げていたら、休憩時間が終わってしまった。


僕達は笑いながら、元の仕事に戻って。


また忙しく働き始める。


キツイけど、君を想えば頑張れる。


君に会える、ただそれだけで…僕は何倍にも頑張れるんだ。

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