僕と彼女が死ぬまで

@tsukayama-kana

プロローグ

 2020年、新種の病気が発見された。原因不明のその病気は第一症状が激しい動悸のため、通称『恋の病』と呼ばれ広く一般に知れ渡る事となる。先ず心臓の機能が著しく弱くなり身体に酸素がいきわたらなくなっていく。そのまま呼吸を手助けする機械に頼らざるを得なくなり病院のベッド生活を余儀なくされるのだ。『恋の病』になった人の殆どが、発症から2年と保たず亡くなり、抗う薬や症状の進行をくいとめる方法は一つも見つかっていない。また、どうやら感染力もあり一番近い家族ともどもこの病気という例もあるらしい。


 それから3年後、最初の発症地とされるイギリスでは政府が患者を隔離し有能な研究者で集められた病棟を設立した。患者は世界各国に散らばり、誰が何処で感染したかわかり辛い為国がだした苦肉の策である。病気の研究の為のエリート医師の一人は、かつて自分の娘を『恋の病』でなくしていた。


 

 ーこの物語は5年後、治療法も見つからずただ死にゆくを待つばかりの独りの女の子と、その子を愛して『最後のひと』となった男の子の、哀しく優しい物語だ。



登場人物


ローブ(23)…イギリス人の女性。『恋の病』感染者。

アキ(19)…日本人男性。大学生。

ロベルト(45)…ローブの専属医師。

サヤカ(19)…アキの友人

リン(80)…アキの祖母

   

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